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第2回 コレステロールと秋刀魚の話 |
最近世界的な傾向として、心筋梗塞や脳梗塞などの血管障害による死亡率の増加が見られる傾向にあることか ら、血管障害性因子をできるだけ避けるための生活習慣の重要性が注目されている。血管障害性の因子としては、高脂血症(特に高コレステロール血症と高トリ グリセライド〈中性脂肪〉血症が重要)、高血圧症、糖尿病、肥満、に加えて、喫煙の悪影響も懸念されている。
高コレステロール血症以外にも、メタボリック症候群(内蔵脂肪症候群)において高度な血管障害が見られるこ とが指摘され、本年4月よりこの症候群に対する健康診断が実施されることとなった。すなわち、内臓脂肪が蓄積されると糖尿病、高血圧、脂質代謝異常などが ひき起こされるため、それに該当する人々は、適度な運動とともにカロリーをとり過ぎないように注意する必要がある。
ここでは、少し高コレステロール血症の話をしておきたい。ある時、高コレステロール血症を治療中の中年の男 性が、いつもの血清コレステロールの値が急激に上昇したことがある。「どうされたのですか?」とお聞きすると、「実は、先日のテレビ番組で、秋刀魚は体に 良いと言っていましたので、朝、昼、夕の3回1尾ずつ食べてみました」とのこと。
一般的に日本人は、「魚は体に良いからいくら食べても良いが、肉類は体に悪いから、あまり食べ過ぎてはいけ ない」との共通のゆるぎなき認識を持っている。しかし、これは脂肪酸の話で、魚、特に秋刀魚や、さば、いわしなどの青身の魚にはDHAやEPAなどの良質 の不飽和脂肪酸が多く含まれており、それが体に良いということであって、コレステロールの話ではない。
コレステロールは主として動物性食品に含まれており、魚、肉、卵などの食品に多い。したがって、血中コレス テロールを増やさないためには、魚を含めて動物性食品を控えなければならない。ちなみに、秋刀魚100g中のコレステロールは66mg、牛肉は65mgで 両者間に差は見られない。また、鶏卵やそれを材料にしたカステラやクリームなどの食品、いくらや明太子などの魚の卵などは特にコレステロールを多く含んで いるため、採り過ぎないように注意しなければならない。
以上のごとく、高脂血症は摂取する食品と密接な関連を持っており、コレステロールは動物性食品、また中性脂肪は間食、特に甘いものなどの糖質をとりすぎると急激に上昇するので、注意を要する。
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