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第5回 老化を防ぐ食事 |
わが国が高齢化社会を迎えて久しく、年々高齢者の割合は増加しつつある。このような状況下では、高齢者がいかに健康状態を維持し、どの年齢層まで社会に貢献しえるかも重要な問題になってくる。
今回は人の老化の機序とそれを防ぐ方法があるのかについて、食事の面から少し考えてみたい。分子生物学的に 見た老化の機序は大きく2つに分かれる。すなわち、遺伝子要因(遺伝子プログラム説)と環境因子(フリーラジカル説、または酸化的ストレス説)である。前 者は、人の寿命は遺伝子によって支配されているとの考え方である。一方、後者は、老化は活性酸素類によって組織が酸化(さび)されることによって始まると の考え方である。人は酸素を利用しているため、好気的代謝の過程でさまざまなフリーラジカルや活性酸素が生じる。これらの酸素類は生体内物質との反応性が 高く、組織障害性である。したがって、老化を防ぐためには、抗酸化防御系を最大限に活用し、活性酸素類による組織の障害を防ぐ必要がある。
抗酸化防御系には、(1)抗酸化酵素、(2)抗酸化物質(食品)、(3)抗酸化薬物 などがある。まず、(4)生体内に存在 する抗酸化酵素(SOD:スーパーオキシドジスムーゼ、やカタラーゼなど)は生体内での活性酸素類の産生を抑制することによって、抗酸化作用を発揮する。 この酵素活性を高める手段としては、できるだけ精神的にリラックスする時間を持つこと、例えば、温泉入浴などでもある程度酵素活性を高めることはできると 報告されている。
抗酸化作用を持つ食品を積極的に摂取することも老化を防ぐ手段としては有用である。抗酸化作用を有する物質 としては、ビタミンC、ビタミンE、βカロチン、リコピン(トマトに多い、前立腺癌の予防にも役立つ)などがある。これらの物質を多く含む食品を日ごろか ら多く摂取するように心がけると良い。例えば、ビタミンCやEを多く含む食品では、パセリ、赤ピーマン、ブロッコリー、レモン、キュウイフルーツなどがあ る。また、カロチンを多く含む食品では、にんじん、パセリ、ほうれん草、赤ピーマン、かぼちゃ、板わかめ、ひじき、みかん、スイカなどがある。
なお、抗酸化作用を持つ薬物もあるが、これは健康増進ではなく、病気(脳梗塞)の治療薬として使われている。なお、生体内の抗酸化作用を高めることは、老化を防ぐだけでなく、病気の予防にも役立つと言われている。
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