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第7回 メタボリック症候群 |
現代はまさに飽食時代と言われるごとく、食べ過ぎないし栄養過多の状態を示す人々が増加しつつある。その結 果、肥満症とともに脂肪細胞の増加による特殊な病態が出現して来つつある。脂肪細胞は体全体に分布しているが、そのうち腹部内臓に集積した脂肪細胞は小型 である場合には善玉アディポネクチン(動脈硬化を抑制する)を分泌しているが、肥大化するにつれてインスリン抵抗性や炎症を誘導する悪玉アディポカインの 分泌が増大するようになる。そして、糖尿病、脂質代謝異常、高血圧、高尿酸血症、動脈硬化などをひき起こすようになる。一方、全身に蓄積され分布している 脂肪細胞は単なる肥満症としての症状(睡眠時無呼吸症候群、月経異常など)をひき起こすのみである。
すなわち、メタボリック症候群(内臓脂肪症候群)は、内臓脂肪が蓄積して、糖尿病、高血圧、脂質代謝異常な どが出現してきた状態をさしており、この症候群では、まず腹部肥満が存在することが基本条件である。その結果としてインスリン抵抗性が出現し、このインスリン抵抗性を共通基盤として、動脈硬化の重要な危険因子である高血圧、糖尿病、高脂血症が相互に作用しあって、危険因子の集積状態ができ上がってくる。
したがって、診断基準は、まず腹部肥満があること(臍位で撮影した腹部CTの内臓脂肪面積が100平方cm 以上あれば診断が確定する。その値は、臍位腹部周囲径では、男性85cm、女性9cmに相当する)が条件で、これに、高血圧症(最高血圧 ≧130mmHg、かつ/または最低血圧≧85mmHg)、高脂血症(高トリグリセライド(中性脂肪)血症≧150mg/dl、かつ/または低HDL(善 玉)コレステロール血症<40mg/dl)、高血糖(空腹時血糖≧110mg/dl)の3つのうち2つ以上存在していることが条件となる。この症候群の標 的臓器は、心血管障害と糖尿病発症である。
メタボリック症候群は、生活習慣病のひとつとして近年最も注目されており、その治療には、生活習慣の改善が 必要である。まず脂肪組織での脂肪蓄積を防止するためには食事摂取量を減じることが必要である。また、蓄積した脂肪細胞を減少させるためには運動療法が有 効である。内臓脂肪は蓄積しやすく、一方運動によって軽減しやすいことが特徴でもある。したがって、食事療法と運動療法の両者を組み合わせて持続的に行う ことが大切である。
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