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心とからだの四方山話
第10回 各種集団におけるストレス病の特徴

近年所謂ストレス病と呼ばれる、うつ病、不安障害、身体表現性障害(自律神経失調症)などの病気が増加しつ つある。いずれもストレスによって引き起こされる心の病気であるが、そのストレスの種類や程度は、ストレスを受ける環境や場所によってもかなり異なってい る。そのストレスは家庭外にあるのか、家庭内か、家庭の外であればどのような周囲環境にあるのか、などを勘案しなければならない。ここでは、対象の受診者 集団を教職員(共済組合員)、会社員、主婦、高齢者(60歳以上)の4集団に分類し、それぞれの集団におけるストレス病の頻度とその特徴について考えてみ たい。

まず、うつ病の頻度は、教職員では86名中41名(47.7%)、会社員では146名中68名 (46.6%)、主婦では110名中22名(20.0%)、高齢者では113名中56名(47.8%)であり、主婦を除き、いずれもその頻度は40%台の 後半のかなり高い値を示した。ただし、教職員や会社員では仕事のオーバーワークがうつ病発症の共通原因と考えられたが、高齢者ではむしろすることがない (仕事がない)ことが大きい要因と考えられた。

次に不安障害の頻度は、教職員では36名(41.9%)、会社員では67名(45.9%)、主婦39名 (35.5%)、高齢者28名(24.8%)であり、高齢者を除き、比較的高い頻度を示した。不安障害のうちわけでは、いろいろのものに対して不安を感じ る全般性不安障害の頻度は、教職員では36名中9名(25.0%)、会社員では67名中32名(47.8%)、主婦では39名中22名(56.4%)、高 齢者では28名中26名(92.8%)であった。すなわち、全般性不安障害は、家庭内で多くの時間を過ごす主婦や高齢者にその頻度が高いことが特徴的で あった。

また、パニック障害は、教職員で8.3%、会社員で17.9%、主婦で41.0%、高齢者0%で、家事や育児などを分担している主婦に際立って多いことが示された。

一方、あまりすべきことのない高齢者では全く見られなかった。さらに、恐怖症性不安障害は、欧米では社会恐 怖が多いとされているが、わが国ではむしろ対人恐怖が多い。そして、この不安障害の頻度は、教職員では66.7%、会社員で16.4%、主婦で 35.9%、高齢者で36%であり、教職員で際立ってその頻度が高く、一方、高齢者では低い傾向が見られた。

なお、教職員における恐怖症の対象は、主として保護者や生徒の暴言や時には暴力であり、当然のことながら対人恐怖であった。

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