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心とからだの四方山話
第11回 恐怖症性不安障害

先月号で述べたごとく、教職員のストレス病の頻度では、うつ病と恐怖症性不安障害が多く、また病気休暇が必 要となる割合も最も多い。うつ病は仕事上のオーバーワークが原因となることが多く、今後教職員の仕事量を減らすための制度改革が望まれる。ここでは、教職 員が罹りやすいストレス病のうち最も病休率が高い恐怖症性不安障害について、少し述べておきたい。

この不安障害で、恐怖の対象として以下のものが考えられる。広場恐怖:混雑していて逃げ出しにくい場所(人 や車の往来のはげしい道路、混雑した店、列車やバス、飛行機を使っての旅行、広々とした場所など)、(1)特定の恐怖症:高所、閉所、動物や昆虫、刃物、暗闇 など、(2)社会恐怖・対人恐怖:社会的状況に恐怖を感じるもの「相手が誰であれ人と接することが怖い」ものを「社会恐怖」と言う。一方、対人関係を避けたがる もの「特にヒトとの一対一の対面におびえる」場所を「対人恐怖」と言う。すなわち、社会的状況に恐怖を感じるものを社会恐怖、対人関係を避けたがるものを 対人恐怖と言う。

欧米では社会恐怖の方が一般的であるが、わが国では社会恐怖よりも対人恐怖が多いと言われている。したがっ て、DSM-VI(アメリカ精神医学会作成:精神疾患の診断・統計マニュアル第4版)では、社会恐怖は不安障害の中の恐怖症に分類されているが、対人恐怖 と言う診断名は見当たらない。

教職員の方々の恐怖症性不安障害は、当然その対象は人であり、保護者や児童・生徒の暴言に対する脅威がその原因になっていることが多い。この対人恐怖は、日本人の几帳面で相手の反応に敏感な特質や、対人関係のもち方への甘えが関係していると考えられている。

教職員で不安障害を有する36名のうち恐怖症性不安障害を示した人は24名(66.7%)で、そのうちわけ は、対人恐怖が21名(87.5%)、社会恐怖が3名(12.5%)で、広場恐怖を有する人はまったく見られなかった。一方、会社員で不安障害を有する 67名のうち恐怖症性不安障害は11名(16.4%)で、そのうちわけは、対人恐怖が4名(36.4%)、社会恐怖が7名(63.3%)であった。このこ とは、教職員において、一般の会社員に比べ恐怖症性不安障害を示す頻度が高く、そのなかでも社会不安に比べ対人恐怖を示す頻度が有意に高いことを示してい る。

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