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第2回 裸になって悪いか? |
先日、タレント草彅剛が、深夜泥酔して、公園で裸になっていたところを逮捕された。だいぶ、しかもいろんな酒をちゃんぽんで飲んだらしい。悪酔いの典型的なパターンだ。酒以外の風邪薬や睡眠薬とのちゃんぽんもよくない。中川前大臣が泥酔状態で記者会見場に臨んで、世界に醜態をさらしてしまったのも、この睡眠薬と酒のちゃんぽんが原因だった。こうした酒の上での失敗は、かなりの人が経験している。そこで、多くの人は、自分の酒の飲み方を修正する。過去の失敗は、笑い話になる。だが、どうしても修正できないで、なんども同じ失敗を繰り返す場合には、ぼくがやっていたアルコール依存専門医に連れてこられることになる。
直ぐに、ぼくたちのところに連れてこられることはない。そこは先輩の出番だったり、マンガや連続ドラマの駐在さんの出番だったりする。自分のからだを張って庇ってくれ、「おまえも将来ある身だろ。家族のことも考えろ。今回は庇ってやれても、次の場合には分からない。自分の酒癖を考えて、ここはきっぱりと断酒しろ」なんてお説教を聞かせる。庇って、窮地を救ってやるからこそ効くお説教だ。だが、いつもいい先輩や、いい駐在さんに出会うとは限らない。正義感に燃えたマスコミが、出番を待っている時代になった。
草彅剛の場合、昔だったら、「逮捕」ではなく「保護」だった。酔っ払いを保護し、酔いを醒まさせるところを「酔っ払い保護所」、くだいた表現では「トラ箱」といった。日本にも東京オリンピックを機に作られた。世界各国にある。「裸でいると風邪ひくぞ」と保護するのだ。1日たって、酔いがさめて帰される時、自分が汚した「保護室」の掃除をさせるところもあった。これが効く。国によっては、酔っ払い保護のボランティアをさせるところもあった。裸になってわめいているところをビデオにとって、本人に見せるところもある。フィンランドではその保護所に3回入ってそれでも酒がやめられない人間が、アルコール依存であると定義されていた。
酒をやめられない「ダメな人間」「最低な人間」を「アルコール依存」と呼ぶのではない。酒をやめるのはとても難しい。しかし、その難しいことをやり遂げないと、社会から拒否されるので、やらざるを得ないところに追いこまれた人を「アルコール依存」という。だから、回復した人たちは、その難しいことをやりぬいた何かをもって、社会に復帰することになる。ぼくはかれらを尊敬する。
草彅という人はとても賢い人らしい。並みのタレントと違って、高校時代皆勤賞をとるようなまじめすぎるところがあったらしい。アルコール依存によくあるタイプだ。裸になるタイプだ。ぼくの同級生で、病院の宴会の最後に、芸がないからといい、素っ裸になるのをかくし芸にする名物医がいた。みんな目をそむけたが。そういう時代も今は昔となったのか。
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