公共サービス基本法が全会一致により、5月13日可決・成立した。
1980年代以降、世界を席巻した「小さな政府」を掲げた新自由主義が、格差と貧困の拡大を招き、社会的公正と国民の安心・安全を確保する公共サービスの基盤を破壊してきた。
基本法の成立により、効率と競争最優先から公正と連帯を重んじる社会の実現へと転換し、働きがいのある人間的な労働を中心とする「ともに生きる社会」の創造と、それを支える公共サービスを実現していくための基盤が形成されたものと評価できる。
日教組は公務労協に結集し、2004年秋以降、「良い社会をつくる公共サービスキャンペーン」を展開するとともに、「公共サービス憲章の制定を求める請願署名活動」を行い、約340万筆を集約してきた。今回の基本法の制定は、こうしたとりくみの成果である。
基本法では、公共サービスを「国民の日常生活及び社会生活を円滑に営むために必要な基本的な需要」と再定義するとともに、国民の権利として定めている。また、国及び地方自治体の責務を明らかにした上で、公共サービスに従事する者の適正な労働条件の確保と労働環境の整備に関し、必要な施策を講じることを求めている。
公務労働者の賃金・定員等の勤務条件の充実は、ワーク・ライフ・バランスの確立とともに、国民への良質な公共サービスの提供に連動するものである。
勤務条件や公務能率等への国民の理解を得るためには、労使双方が緊張感をもちつつ、社会的責任を果たす自律的な労使関係の構築が必要である。そのため、公務員への労働協約締結権の付与は喫緊の課題であり、政府はその速やかな実現をはかるべきである。
日教組は、連合・公務労協に結集し、引き続き、良質な公共サービスに支えられた安心・安全な社会を実現するために、法律の趣旨に沿った具体的な施策を、政府及び各地方公共団体に求めていく。
公共サービスとしての教育は、一人ひとりの子どもたちの権利であり社会的自立を保障するライフライン(生命線)であり、同時に、子どもと社会の将来を決定する未来投資という極めて重要な役割を担っている。そのため日教組は、現場での教育実践を深めるとともに、教育諸条件の整備を中心とした必要な施策の実現を求めてとりくんでいく。
以上、決議する。
2009年7月8日
日本教職員組合第97回定期大会