子どもの最善の利益を保障する新たな教育改革の流れをつくる特別決議

わたしたちは、政府主導による「教育改革」に対し、社会的対話をとおした学校現場からの教育改革の必要性を訴えてきた。

3年が経過した全国学力・学習状況調査は、悉皆調査の弊害や費用の無駄遣い等が指摘されているにもかかわらず、文科省は継続して実施しようとしている。国際学習到達度調査(PISA)から、学力の底上げや学ぶ意欲が日本の子どもたちの課題となっている。学ぶ楽しさや学びの過程を重視し、「点数学力」ではなく、社会に出て生きる力をつけるための「ゆたかな学び」にこそ目をむけなければならない。市場原理・競争主義にもとづく「教育改革」では、より学力格差が増大することとなる。

本年4月から、現場教職員に講習を義務化する免許更新制が本格実施され、また授業時数増となる新学習指導要領が先行実施されている。国民教育文化総合研究所報告によれば、日本は教職員の1日あたりの労働時間が11時間6分とOECD諸国の中で突出している。学校現場からも「子どもと向き合う時間や教材研究・授業準備の時間がほしい」との声が多くあげられており、過重労働・多忙化状況に拍車がかかることは必至である。
30人以下学級の実現や教育予算の増額、教職員の定員増が必要なのは明らかであり、財政的数値目標のない教育振興基本計画では十分とはいえない。

OECD調査によれば、日本の子どもの貧困率は、13.7%と7人に1人の割合となっている。教育の機会均等の原則が崩れ、経済不況が子どもたちにも影響を及ぼしている。高校無償化や奨学金制度の見直しなど学習権が保障されるシステムを構築していく必要がある。

今国会において、高校無償化法案及び教員免許制度の抜本的な見直し等が盛り込まれた学校教育力向上三法案(教育職員免許改革法案、教員数拡充法案、学校教育環境整備法案)が参議院で可決された。しかし、現在の国会情勢の中では、政権を変えなければ成立は望めない。

また、これまで政府がすすめてきた格差拡大や雇用破壊、地域医療の崩壊など国民生活を犠牲にした経済・財政運営は、すでに限界にきている。今こそ格差社会の是正、貧困問題の解決、社会的セーフティネットの再構築、そしてワーク・ライフ・バランス社会の実現にむけ、抜本的な政策転換が求められている。

わたしたちは、子どもの最善の利益を保障する新たな教育改革の流れをつくるため、また労働を中心とした福祉型社会の構築にむけて、次期衆議院総選挙において日政連候補予定者および単組推薦候補予定者全員の勝利に向け、組織の総力をあげてとりくんでいく

 

以上、決議する。

2009年7月8日
日本教職員組合第97回定期大会