「子どもの権利条約」国連採択20年・批准15年を迎える中、私たちは第97回定期大会を開催し、「労働を中心とした福祉型社会」および「教育を中心とした民主的な社会」の実現にむけ、運動の充実をはかっていくことを確認しました。
金融・経済危機は、グローバリゼーションの負の側面を露呈し、世界の格差と貧困を拡大させています。一部の者や国の利益優先が、格差と貧困を悪化させ、暴力と戦争に結びついていくことは、歴史が証明しています。新自由主義が破綻した今、9条をはじめとする憲法の理念を生かし、すべての人々の安心・安全なくらしを保障する社会づくりを、国際連帯の中ですすめていかなければなりません。
長引く不況は、子どもたちの学びや進路にも影響を及ぼしています。教育費の公財政支出の割合が低い日本では、経済的な理由で進学を断念せざるを得ない子どもが増えているなど、「貧困の連鎖」により「格差の固定化」を招いています。公教育の予算を拡充し、すべての子どもたちの学習権を保障する具体的な施策が急務です。
卒業後の進路においても、女性・若者を中心に多くの人々が、非正規雇用による労働を余儀なくされ、不況の中で「雇い止め」や「派遣切り」という事態に追い込まれています。また、08年度末には、「内定取り消し」という問題も拡大しました。
このような状況の中、日教組は連合とともに、就労支援・子ども救援のためのカンパ活動にとりくんでいます。しかし、根本的な解決のためには、税や社会保障費の再分配率や労働分配率などの見直しが必要です。政権交代を実現し、社会的セーフティネットの再構築をすすめていかなければなりません。
教育においては、依然として市場原理・競争主義の教育政策が続けられており、子どもたちの学習意欲の低下や学力の二極化をより深刻化させ、職場は多忙化し、教職員の精神的・肉体的疲労は限界を超えています。総合学習の充実はもちろんのこと、労働教育の展開、後期中等教育を中心とした「点数学力」「受験学力」からのパラダイムシフト(価値の転換)など、憲法・子どもの権利条約を生かした総合的・抜本的な改革が必要です。教研活動を柱とした教育運動の一層の充実により、社会的合意形成をはかるとりくみをすすめていきます。
そのためには、保護者・地域住民・働く仲間・行政等との社会的対話が不可欠であり、労働基本権の確立とともに、当面、「組織率50%」の回復を最重点課題としてとりくまなければなりません。
私たちは、今こそ「参加・提言・改革」を実効あるものとし、平和・人権・環境・共生・民主主義が尊重される社会をめざし、子どもたちにゆたかな学びを保障するため、本大会で決定された方針とともに、対話と実践にもとづいた運動を展開していきます。
以上、宣言します。
2009年7月8日
日本教職員組合第97回定期大会
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