HOME 私たちのとりくみと考え 政策制度要求と提言 2-6. 人事管理・評価制度と労働政策

日教組 政策制度要求と提言 2009-2010年度版
日教組の政策・制度要求と提言

6. 人事管理・評価制度と労働政策

現状

勤務条件改善に必要な労働基本権の回復

この間、公務員は、人事院・人事委員会勧告を無視した不完全実施などの問題に直面してきた。そればかりか、多くの自治体で、首長による賃金カットが強行されている。

一方、「国家公務員制度改革基本法」が08年6月に成立した。法律の中に、「自律的労使関係制度の措置」が盛り込まれた。今後、地方公務員である教職員を含む公務員全体に対する「労働協約締結権」の付与について検討され、12年までに実行される可能性が出てきた。代償機関である人勧制度が機能不全となっていることや自治体によって賃金の独自削減が行われるなど人勧制度が形骸化されている。また、人事評価と給与への反映が進行されている中、労働基本権の回復は焦眉の課題である。

ILO・ユネスコ「教員の地位に関する勧告」は、日本政府に対して、教員団体との社会的対話の重要性を指摘し「交渉・協議」を行うよう求めている。人事評価や「指導が不適切な教員」政策の制度設計においても、交渉・協議の必要性を指摘している。

ゆたかな教育の実現に必要不可欠な教職員の勤務条件改善

1. 文科省が40年振りに行った教員の勤務実態調査において、月平均34時間の超勤実態が明らかとなった。持ち帰り仕事や休憩時間が取得できないことを含めると超勤は膨大なものとなっている。病気休職者も増大しており、ワーク・ライフ・バランスをはかることが喫緊課題となっている。また、そのことが、子どもたちへのゆたかな教育の実現につながる。教職員の定数改善の推進をはじめとする、教員が子どもへのかかわりに専念できる条件整備とともに、学校・家庭・地域それぞれの役割分担の明確化とそのための社会基盤づくりが必要である。

2. 総人件費削減の中で、公務員賃金の引き下げが行われている。また、教員給与については、人材確保法の存続すら危なくなっている。政府は、公務員給与の民間準拠の徹底を強く求めているが、質の高い公共サービスの担い手としての公務員給与水準の社会的合意をはかる必要がある。さらに、教育が社会を形成する人づくりの重要な基盤であることと、教職員の厳しい勤務実態を正しく反映した処遇の改善が課題である。

雇用分野の男女平等と高齢再雇用、臨時職員の雇用条件

1. 政府は、「全員参加の社会」の実現をはかり、女性に関しては働きながら子育てできる環境整備により、労働力の確保と出生率の回復をめざしている。しかし、非正規雇用者の約7割は女性である。女性の正規雇用者は、出産を機に約7割が仕事を辞めざるを得ず、M字型カーブが続いており、就業継続は難しい。女性の正規雇用者は46.5%まで低下している。また、賃金は正規男性を100とすると、正規女性70、非正規男性64.5、非正規女性48.6となり、男女および正規・非正規の賃金格差は先進諸国でも際立って大きい。賃金格差が年金にも影響しており、生涯を通じた女性の貧困が問題となっている。(数値は08年厚労省)  
 日教組の定年前退職調査(08年)によると、退職者に占める定年前退職の割合は、女性が約6割、男性は約3割と女性が多いが、男性も増加傾向が見られる。また、女性の20代、30代での退職も増えている。  
 このような現実を打ち破り、雇用における男女平等を実現するためにも、政労使が合意したワーク・ライフ・バランス社会の実現にむけて社会全体で推しすすめていく必要がある。

2. 65歳以上の高齢者人口の割合は2割を超えている。また、定年退職年齢60歳からの平均寿命も25年を超えている。一方、公務・公共部門の高齢雇用の現状は、定年退職後の生活保障として十分な役割を果たしていない。今後、2013年以降、65歳まで、報酬比例部分を含めて公的年金は原則として支給されないことになる。  
 人事院の「公務員の高齢期の雇用問題に関する研究会」は08年7月に中間まとめを出した。雇用と年金の接続を大原則とした新たな高齢期雇用施策の展開が必要であり、再任用の義務化や多様で弾力的な勤務形態など高齢者が生き生きとして仕事を行う環境づくりが重要である。09年夏には最終報告を行うとしていることから、学校職場に見合ったあり方について公務労協とともに対応を強めていく必要がある。また、定年の段階的延長等高齢雇用施策の検討に伴う給与体系等の見直しが考えられていることから、慎重な検討を求めていかなければならない。

3. 定数法が弾力的になったこと、義務教育費国庫負担制度が「総額裁量制」に見直されたことによって定数内臨採者の人数が増加した。最近では、行革推進法により定数を増やせない状況下で、文科省は、教員が子どもとむき合う時間の確保、授業時数増や新たな学習指導要領への対応のために非常勤講師を積極的に活用している。これは、教員だけではなく、栄養職員、事務職員、図書館司書、現業職員など多岐にわたっている。学校現場においては正規採用者と何ら変わりのない基幹的な仕事を担い、子どもや保護者からみても同様の責任を負っている。
 しかし、任用と処遇は合わせて保障されるべきであるのに、国は都合の良い任用規定をつくるばかりで、雇用保障も処遇面での改善もはかろうとしていない。安心して教育という責任のある職務に専念できる環境とはなっていない。

政策提言

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pdf 政策制度要求と提言(2009・2010年度):
PDF形式 / 4.3MB / A4・74ページ

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