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高等学校学習指導要領改訂
09年2月12日
高校の学習指導要領は、学校教育法施行規則に基づき、文部科学相が必修科目や指導内容、授業時間数などを定めて告示するもので、教育のあり方に大きく影響するものです。
ほぼ10年に1度見直されており、今回の高校改訂案は、文科相の諮問機関「中央教育審議会」が策定しました。実施は2013年4月の予定で、理科と数学は2012年4月から前倒しで実施することになっています。
文科省は2008年12月、2013年度から実施される、高校の学習指導要領の改訂案(一部前倒し実施)と、実施スケジュールを公表しました。
高校学習指導要領改訂案の課題 格差拡大などの懸念も
改訂案では、教卒業単位数、必修科目、教育課程編成時の配慮事項等をみると、(1)卒業までに修得させる単位数は、現行74単位以上と変わらず、2008年1月に中教審が示した答申で議論となった「高校教育の多様性と共通性」のバランスを重視し、(2)学習の基盤となる国語、数学、外国語に共通必修科目を設けるとともに、理科の科目履修の柔軟性を向上するとしています。地歴では未履修問題をおこした世界史が引き続き選択必修となっています。今次改訂では高校教育の共通性を重視する方向にもどったものといえます。
また、(3)週当たりの授業数(全日制)は標準30単位を超えて授業できることを明確化。高校教職員定数の改善はこの数年皆無であり、学校間で授業時数を競うことによる教職員の疲弊が危惧されます。また「知識・技能の習得」と「思考力・判断力・判断力の育成」という異なる学力観のバランスをとることは困難を抱えたものです。習得面が強調され、安易な授業時間増での対応を通じた「ゆとり教育」からの転換は問題が大きいといえます。
さらに、(4)義務教育段階の学習内容の着実な定着を図るための学習機会を設けることを促進するとした一方、「はどめ規定」(詳細な事項は扱わないなどの規定)が原則削除されることになりました。教科書難易度の幅がさらに拡大、大学入試問題に影響が出ることは明らかです。受験対応のため週当たり30時間を超えて授業を行い発展的な内容を多く含む教科書を使用する高校とそうでない高校など、今も在る高校間格差をさらに拡大させかねません。また、「生きる力」を育成する「総合的な学習の時間」は標準週3から6単位で前とかわらないものの、2単位も認めることから、形骸化しかねなません。
今次改訂は教育基本法の「改正」をうけており、「伝統や文化に関する教育の充実」がうたわれ、(1)歴史教育(世界史における日本史の扱い、文化の学習を充実)、宗教に関する学習を充実、(2)古典、武道、伝統音楽、美術文化、衣食住の歴史や文化に関する充実、さらに道徳教育の充実として「学校の教育活動を通じて行う道徳教育について、その全体計画を作成することを規定」、また人間としての在り方・生き方に関する学習を充実するとされています。このことにより「教科」が「教化」へと変質してはならず、教科の基本である学問との関係で議論する必要があります。一方、外国語の充実がうたわれ標準的な単語数が1300語から1800語に増加し、「授業は英語で指導する」ことが基本とされました。しかし、一律に授業を英語で教えることは様々な子どもがいる学校現場の実態から乖離しているといわざるをえませんし、教員の研修・採用も含めた条件整備が必要です。
| 【日教組パブリックコメント】 高等学校学習指導要領 学習指導要領について |
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