山下くに子のこの1枚

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元FM横浜アナウンサー。小学館ビッグコミック『CD探検隊』連載中の『山下くに子』がお薦めするバラエティに富んだ名盤の数々をご紹介します!

目覚めよ、内なる力!

  • VOCES8 ヴォーチェス・エイト
  • 永遠の光~神秘のア・カペラ
  • 発売日:2016/05/04
    レーベル:UCCD-1429
    価格:2,800円+税
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イギリスは、コーラスが盛んな国。人気も実力も兼ね備えたア・カペラ合唱団が数多く存在します。その中で、2003年に聖歌隊から生まれたのが、このヴォーチェス・エイト。ウエストミンスター寺院聖歌隊に居たメンバーを中心に、読んで字のごとく、男性6人・女性2人の8人の歌声です。蛇足ですが、イギリスにはウエストミンスター大聖堂聖歌隊というのもあり、よく混同されますが、寺院と大聖堂は全く別の場所にあり、寺院はイギリス国教会で、国王の戴冠式などが行われる場所。大聖堂はカトリックです。

さて、このヴォーチェス・エイト、ソプラノふたり、カウンターテノールふたり、テノールふたり、バリトンとバスがひとりずつという構成で、クラシックの合唱音楽をメインにしながら、ポップスやジャズまで歌いこなします。加えて、無伴奏のア・カペラだけでなく、サキソフォンやチェロなどの演奏ともコラボレーション。守備範囲が広いです。

後進の育成にも積極的で、ロンドン市内の古い教会を取得して聖歌隊や声楽家を養成するための施設を運営するなど、教育プログラムも積極的に行っています。

彼らのCDといえば、祈りをテーマとしたもの、クリスマスソングに特化したもの等をリリースしていますが、こちらは「光」をテーマにしたアルバム「ルクス」。雲の割れ目から真っ直ぐに差し込むような神々しい光をイメージしてみてください。そのイメージそのもののコーラスが展開します。ウエストミンスター寺院を体感できるような曲、2011年のウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式で歌われた曲も入っています。

魅力は、なんといってもハーモニーの美しさ。最初の音が流れた瞬間に、日常空間から広い天空にポーンと放たれたような浮遊感に包まれるのが、教会音楽の良さですよね。煩雑な出来事はひとまず置いておいて、無色透明な感覚を楽しみましょう。天上から降り注いでくるようなハーモニーに、本来の自分を取り戻せます。例えば、1日の始まり、朝日を浴びながらこんな曲を聞けば、なんだか内なる力も湧いてきそう。ちょうど、新しい目標や計画を立てる時期です。神秘的な歌声に癒しとぬくもりを感じながら、新たな一歩を踏み出しませんか。

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