山下くに子のこの1枚

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元FM横浜アナウンサー。小学館ビッグコミック『CD探検隊』連載中の『山下くに子』がお薦めするバラエティに富んだ名盤の数々をご紹介します!

「立ち位置」より、「立ち方」

  • J-Squad  ジェイ・スクワッド
  • Jスクワッド
  • 発売日:2016/11/16
    レーベル:UCCJ-2139
    価格:3,000円+税
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2017年は、「JAZZ」誕生100周年。1917年にニューヨークで発売されたオリジナル・ディキシーランド・ジャズ・バンドのレコードが、初めて「JAZZ」と表記されたのが、その始まり♪ あっという間にジャズは大人気となり、それ以来、数々の名盤が世に登場しました。

記念すべき100周年を迎える直前、昨年末にリリースされたのが、ニューヨークを中心に活動する5人のアーティスト集団、ジェイ・スクワッドのデビューアルバムです。もともとは、昨年リニューアルしたテレビ番組「報道ステーション」のオープニング・テーマを演奏するために企画されたスペシャル編成だったのですが、ファンの要望に応える形でアルバム制作に至りました。

メンバーは、トランペッターの黒田卓也、ピアニストの大林武司、ベーシストの中村恭士、パーカッショニストの小川慶太、そしてメンバー最年少・23歳のサックス担当、馬場智章。いずれも、ニューヨークで日本人初の契約に成功したり、賞を獲得したりといった実績のあるメンバーたちで、ジャズの最前線において新しい時代を創造していく人たちです。また、テレビ番組のテーマ曲を担当したことで、ある意味、誰でもが毎日触れることができる、最も身近なジャズサウンドを届けてくれているのが、彼ら5人です。

楽しいのは、今回アルバムを作るということで、それぞれがオリジナル曲を持ち寄って録音しているところ。ジャズの醍醐味ともいえるセッションの雰囲気を味わえるのはもちろん、ピアノがメインになっている曲、トランペットが活躍する曲など、それぞれ誰のオリジナルかが容易に推測できて、5人の個性も存分に味わえます。ちなみに、スクワッドとは「気の合う仲間たち」のような俗語だそうです。

ジャズ100周年を迎え、敢えてジャズという垣根も超えていきたいという彼ら。お互いの音を認め、感じ、そこに自分の音を乗せ、新しい音楽を作り上げていくジャズなら、他ジャンルとの垣根も低そうです。

最近、ちまたでは、立場という言葉に加えて「立ち位置」という言葉が独り歩きするようになり、なんだか、自分で自分の行動を狭めているような時を感じませんか。特に年齢を重ねるにつれ、変革よりも小さな安定の快適性を優先させてしまうので、なかなか新しい自分を発見できなくなるそうです。

今年は、自分の気持ちを大切にするためにも、立ち位置ではなく、自分の「立ち方」を意識してみるのはどうでしょう。JAZZのように、いろんな人とセッションを楽しむきっかけになるかもしれません。

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