山下くに子のこの1枚

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元FM横浜アナウンサー。小学館ビッグコミック『CD探検隊』連載中の『山下くに子』がお薦めするバラエティに富んだ名盤の数々をご紹介します!

鏡に向かおう!

  • バリー・ギブ
  • 「イン・ザ・ナウ」
  • 発売日:2016/10/12
    レーベル:SICP-30889
    価格:2500+税
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久しぶりに会った友人や知り合いから、「昔と変わらない」と言われると、喜ぶ人とがっくりする人がいるようです。喜ぶ人は「若いね」という誉め言葉ととらえ、がっくりする人は「成長していない」と同義語にとらえるようですが、外見だけの話なら、変わらないって言われた方がうれしいですよね?(笑)

年齢につれて外見は誰もが変わりますが、それに比べて声は大きく変わりません。こちらのバリー・ギブは、70歳。彼の名前は知らなくて
も、元ビー・ジーズといえば、わかりますよね。昨年、なんと32年ぶりにソロアルバムをリリースされました。ビー・ジーズ時代から数えても15年ぶりの意欲作です。

70歳の方を捕まえて言うのもナンですが、爽やかサウンド満載。声も変わらない! 映画「サタデー・ナイト・フィーバー」のサントラ「ステイン・アライブ」が大ヒットしたビー・ジーズですが、どちらかといえば、それより前、「メロディ・フェア」など70年代前半に近い優しいサウンドです。メロディラインも柔らかく、甘すぎない大人のためのスイーツのよう。これからやって来る梅雨のうっとおしい時期も、こんなサウンドと一緒なら爽やかに過ごせそうです。

もともと兄弟で結成されたビー・ジーズですが、すでに他のメンバーは他界、アルバムタイトルの「イン・ザ・ナウ」は「今を生きる」という意味なんだそう。63年のデビューですから、すでにキャリアは54年! 54年分のキャリアが、このアルバムに詰まっています。

よく言われることですが、仕事のキャリアを積めば、自信もつき、結果も出せるようになります。ただ、予測して対処することが容易になるため、コンスタントに合格点を取ることはできるけど、予想以上の結果を生むことが難しくなるんだそうですが、そこに必要なのが、意欲です。

経験を積むと、意欲は反比例するそうですが、何かきっかけがあれば意欲は生まれます。バリーのアルバムも、亡き家族や兄弟、仕事仲間など、これまで一緒にやってきた人たちに対して、今の自分があることの感謝がきっかけ。だからこそ、タイトルが「イン・ザ・ナウ」、今!なんです。

ちなみに、意欲を出そう、やる気を出そうとするとき、「私はできる! 私ならできる!」という掛け声を自分自身にかけますが、アメリカでの研究によると、鏡に映る自分に向かって「あなたはできる」といった方が、効果があるそうです。客観的に自分を意識することで、刺激されるんですね。

さあ、いつもの生活に、ちょっとの意欲を盛り込みましょう。

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