山下くに子のこの1枚

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元FM横浜アナウンサー。小学館ビッグコミック『CD探検隊』連載中の『山下くに子』がお薦めするバラエティに富んだ名盤の数々をご紹介します!

春はリズムを刻みましょう!

  • ジョナサン・ルンドバーグ
  • 「イテレーションズ」
  • 発売日:2017/01/25
    レーベル: UCCU1533
    価格:2600円+税
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最近「面倒くさい」と思ったことはありませんか? 仕事でも家庭でも、いつものことなのに、なんだか面倒くさい…。それが、五月病の兆候なのだそうですが、なにせストレス満載の現代。五月病に代表される不調は、決して春に環境が変わった人だけでなく、誰にでも待ち受けています。

そこで今回は、癒し効果のあるアルバム。リラックスするには「攻めてる」感じのジャケット写真ですが、癒し効果を狙えるのはヒーリング音楽だけではありません。ポイントは、ドラムの音。同じテンポでリズムを刻んでゆく行為は、自律神経を刺激して、心身のバランスを整えるという研究もあるんですよ。

ジョナサン・ルンドバーグは、スウェーデンの人気フュージョンバンドのドラマー。彼がリーダーとなり、いろいろアーティストが参加して誕生したのが、このアルバムです。ドラムのテクニカルな部分はもちろんのこと、すべての楽曲を彼自身が作曲していることがすごい! どの曲もハッキリしたビート感と抑揚が表現されています。収録曲「シンジュク・パンダ」は、来日したときに上野動物園で見たパンダにインスピレーションを受けて作曲したそうですが、本来なら「ウエノ・パンダ」であるべきなのに、語感のリズムで「シンジュク」にしたのだそう。どこまでもビートを追及していますね。

メロディラインとリズムラインが交錯するような展開や、変拍子のような曲調もあるのですが、それが「複雑」というより、爽快感を楽しむローラーコースターに乗っているような雰囲気を醸し出します。ジャズが好きな方にとっては、本田雅人さんなど人気アーティストの参加も魅力のひとつ。独特の世界観を打ち出しつつも、どこかの番組のテーマ曲になりそうなメロディアスな曲が多く、こちらも身体でビートを刻みながら楽しめます。

アルバムタイトルの「イテレーションズ」は「繰り返し」の意味。歌詞の繰り返しといった意味ではなく、PC内でのタスクを繰り返し行うことや、数学の方程式で演算を繰り返し、解の精度を高めていくことをさすそうです。

そこで、なんだか気分が乗らないときには、無理にトライせず、知ってること、できることの繰り返しをしてみませんか? 不思議なもので、繰り返しを続けていると、人間の脳は飽きてしまって、自然と違うアプローチを探すものなんだそうです。

気分が乗らないときには、いつものことを単純に繰り返し、繰り返し…。時が過ぎれば、解決法は、きっと向こうからやってきます。

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