山下くに子のこの1枚

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元FM横浜アナウンサー。小学館ビッグコミック『CD探検隊』連載中の『山下くに子』がお薦めするバラエティに富んだ名盤の数々をご紹介します!

みんなの力と音楽の力と…

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みんなの力と音楽の力と…
オムニバス盤
「ジャズ・フォー・ジャパン」
  発売日: 2011/6/1 品番:VACM-7002/3 税込:2,500円
2011年7月1日

jazz.jpg東日本大震災の被災者支援のため、音楽界でもさまざまなアーティストがそれぞれの活動を展開しています。

「福島が好き♪」のフレーズが印象に残る猪苗代湖ズや、桑田佳祐が中心となったチーム・アミューズのようにオリジナル曲を発表したり、寄附を目的としてCDが製作されたり…。海外盤も含めると思いのほか多くのCDがあり、多くが日の丸をアレンジしたジャケットで、意図がわかりやすい。ショップなどで並べられているのを見かけると、胸がじんと熱くなります。

ジャズ界から名乗りをあげたのは、この「JAZZ  FOR JAPAN」。とにかくメンバーがすごい。スティーブ・ガットをはじめ、ジョージ・デューク、マーカス・ミラー、トム・スコット、リー・リトナー、松居慶子など、ジャズ界の代表選手たち。録音も、スタジオでちょっと音あわせをしただけで1発OKがほとんどとか。まぁ、このメンバーですからね、さすが!の演奏です。

収録曲も「処女航海」「この素晴らしき世界」などスタンダードな曲ばかりなので、ふだんJAZZを聴かない人でも十分楽しめます。

同じ被災者支援のため、いち早く発売された洋楽ポップスのオムニバス盤「SONG FOR JAPAN」は大ヒットしていますが、これは既存の曲を収録して、その著作権料で寄附金を捻出しようというもの。一方こちらの「JAZZ FOR JAPAN」は、震災報道を受けてからアーティストたちが連絡を取り合って集まり、急遽レコーディングし、製作されたもので、アーティストたちの企画力と行動力と実行力の賜物。そして、日本への想いだけでなく、JAZZとしての即興性を楽しめます。

愛された記憶は優しさと強さを生み、そして、また誰かを愛そうという力になります。人の持つ力と音楽の力にありがとうと素直に感謝できるアルバムです。そして、また、私たちが愛を返せる時が来るように。

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