山下くに子のこの1枚

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元FM横浜アナウンサー。小学館ビッグコミック『CD探検隊』連載中の『山下くに子』がお薦めするバラエティに富んだ名盤の数々をご紹介します!

愛と絆を再認識したアーティストが紡ぎだす、優しいポップス

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愛と絆を再認識したアーティストが紡ぎだす、優しいポップス
ゲイブ・ディクソン
「ワン・スパーク」
  発売日: 2011/8/24 品番:UCCD1112 税込:2,500円
2011年10月3日

JTUyamashita10.jpgインターネットが登場して、メールアドレスをメアドと言い出したあたりから、マクドだの、ケンタだのとファーストフード店の名前を短くしてみたり、百円均一をヒャッキン、ブラッド・ピットをブラピなど、前と後ろをくっつけてみたりする略語が、市民権を得てきた気がします。それにしても、最近はイクメンとかプレママとか、ちょっと聞いただけでは「それ、なんのこと?」と内容確認をしたくなる語が多くて、多くて…! 違和感にむずむずしながらも、時流に乗りたくて、ちょっと使ってみます(笑)

この人もイクメンなんです。大学でクラシックピアノを学んだのち、自分のバンド、ザ・ゲイブ・ディクソン・バンドを結成。サンドラ・ブロックが主演した映画の主題歌を手がけたり、多くの支持を得ていたのですが、09年に活動休止。そして、イクメンに! つまり、育児&父親業に夢中だったのですが、逆に子育て中心の生活が絆や愛を再認識させることになり、ソロとしてのアルバム製作につながったとか。「これだっ!」の直感の意味で、アルバムタイトルが「ワン・スパーク」です。

バンド時代から、曲作りに定評があり、野球で言えば直球を相手にあったスピードで投げて打たせてあげる、やさしいピッチャー。シンプルで、メロディラインのきれいな、わかりやすい曲を作るのがうまい人です。このソロ・アルバムは、カントリーの要素が入ったり、ビートルズ風のコーラスが入ったり、演出もいっぱい。全体的に、ちょっと甘酸っぱい、素朴な雰囲気です。ピアノ×歌で、音楽の路線としてはビリー・ジョエルに雰囲気が似ているかな。シングルカットされた「マイ・フェイヴァリット」の映像が、ネット上で公開されています。こちらも楽しい仕上がり。

今、仕事とは全然関係のないことに夢中の方も、彼のように、その体験が仕事に活かせる日がきっと来るはず。仕事で疲労困憊していたら、ちょっと違う体験に時間を費やすのも、また良し。けっこう、現状打破のためには、ひねらず、直球がいいのかもしれませんよ。

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