山下くに子のこの1枚

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元FM横浜アナウンサー。小学館ビッグコミック『CD探検隊』連載中の『山下くに子』がお薦めするバラエティに富んだ名盤の数々をご紹介します!

スイングするリスト

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スイングするリスト
ジョン・ディ・マルティーノロマンティック・ジャズ・トリオ
「リストマニア~リスト・ジャズ」
  発売日: 2011/8/17 品番:VHCD-1056 税込:2,800円
2011年11月1日

JTU1112.jpgクラシック界では毎年のように「だれそれ生誕××年」といったキャンペーンが行われますが、今年はリストの生誕200年。作曲家として、オペラ、交響曲、宗教音楽と、幅広いジャンルを手がけた人ですが、リストといえば、やはりピアノ。6本の指を持つと噂されたほどの演奏技術を持ったピアニストでもあり、彼の曲を収録したアルバムには、たいてい「超絶技巧」といったような物々しい表現が踊ります。

高度な演奏をするには集中力が必要ですが、聴いている方も無意識に集中するため、超絶技巧の演奏が続くと、脳はお疲れモードになるそうです。そこで、超絶技巧でありながら、肩の力がふっと抜けるアレンジが魅力のジャズを選んでみました。

ジョン・ディ・マルティーノはニューヨークを拠点に活動するイタリア系ピアニスト。このアルバムは、生誕200年シリーズの3作目で、過去にモーツァルト、ショパンでリリースしています。文字通り、ロマンティックできれいなアレンジを施すことで人気があるアーティストですが、楽曲がリストのものになると技巧的な部分が大きく加わり、ふわっとした部分と、ギュッと締める部分とのコントラストがより強くなって、ジャズ感はたっぷり。リストの原曲を知らなくても大丈夫です。かえって、有名な「ラ・カンパネラ」と「ハンガリアン・ラプソディ第2番」くらいしか知らないほうが、リストの作品の美しさとジャズの面白さを単純に楽しめそうです。

リストが気にいったら、クラシックコーナーで「ロ短調ソナタ」のピアノ演奏を、ジョン・ディ・マルティーノが気に入ったら、ビートルズ・イン・ジャズも聴いてみてくださいね。

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