山下くに子のこの1枚

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元FM横浜アナウンサー。小学館ビッグコミック『CD探検隊』連載中の『山下くに子』がお薦めするバラエティに富んだ名盤の数々をご紹介します!

憧れの国・ニッポン

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憧れの国・ニッポン
スコット&リバース
「スコットとリバース」
  発売日: 2013/3/20 品番:UICV-1026 税込:2,500円
2013年7月1日


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最近、外国人が日本のポップスを歌うのど自慢番組のヒットなどもあり、外国人が日本の歌を歌っているシーンをよく見かけませんか?

のど自慢出身の歌手デビューなど、今、日本語で歌う外国人アーティストが注目されています。思い返してみれば、一大ブームを築いた韓流・K-POPも、外国人が歌う日本語楽曲ですし、過去に遡れば、ポリスやクイーンが日本語歌詞の歌を作ったり…と、日本に興味を持つ外国人アーティストは多いのです。ただ、今年はこの傾向が大きなトピックとなりそうで、日本のJ-POPをカバーしたアルバムや、日本語のオリジナル楽曲のアルバムなどの、外国人アーティストの作品が次々とリリースされています。

その中で、すでにプロとしての音楽キャリアがありながら、新しく日本語ユニットを結成してデビューしたのがスコットとリバース。スコットは、アメリカのパンクバンド「アリスター」で、リバースはロックバンド「ウィーザー」のボーカルとして活躍していました。「日本の音楽は面白い、日本語の響きは神秘的」と、オリジナル曲も日本語で作成。デビューとはいえ、プロが日本の音楽シーンの視点に立って制作したアルバムという感じです。

ノリがよく、わかりやすい日本語歌詞のサウンドは、日本のフォークソングの要素あり、アメリカンロックの要素あり、なおかつ、それぞれが所属していたバンドのイメージも随所に感じさせつつ…と、以前から親しんでいるJ-POPのようでありながら、初めて感じるノリもあって、新鮮。その感覚は、この古い日本家屋でのんびり日なたぼっこをする外国人二人という、懐かしさと新しさが同居するジャケット写真に象徴されています。

ちなみに、本人たちは、日本のアーティストとしてデビューしたという意識なのだそうですが、外国人ということで、CDショップでは、洋楽コーナーに並んでいます。

外国人が日本語の歌を歌うようになるきっかけはいろいろありますが、日本の漫画やアニメ、インターネットでの映像などが多いそうで、その発信元は日本の若者。自分がいいと思うものを広く発表しよう、という姿勢は、教育の現場などで、皆さんが日頃から子どもたちに伝えてきたことのひとつではないかと思います。そして、他人の個性を認めて、その良いところを自分に還元する図式は、ある意味、皆さんが子どもたちに伝えてきたことが、わかりやすい形で戻ってきた…ということにもなると思います。

日本から世界へ、世界から再び日本へ。グローバル化を実感するアルバムです。

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