山下くに子のこの1枚

写真
元FM横浜アナウンサー。小学館ビッグコミック『CD探検隊』連載中の『山下くに子』がお薦めするバラエティに富んだ名盤の数々をご紹介します!

目線を上げて、遠くを見れば…!

写真
目線を上げて、遠くを見れば…!
ウィル・リー
「ラヴ・グラティテュード&アザー・ディストラクションズ」
  発売日: 2013/7/24 品番:KICJ-656 税込:2,800円
2014年1月6日

yamashita1401.jpg製造の最終段階でウイスキーの味を調整するブレンドの仕事をしている方は、「例えば10年熟成のウイスキーの場合、今、市場に出ているものは10年前のもので、今作っているものは10年後に市場に出るもの。つまり20年スタンスで仕事をする」のだそうです。仕事柄とはいえ、その大きな視点がすごい…と思っていたら、音楽界にもいました、20年スタンスの方。

1970年代から活躍するアメリカのベーシスト、ウィル・リーが、この夏、ソロアルバムを出しました。1993年のファーストアルバム以来、実に20年ぶりです。

彼は、フュージョン系を中心に、フランク・シナトラ、バリー・マニロウなどポップ、ロックなど様々なアーティストをサポートし、日本人アーティストでも、渡辺貞夫のレコーディングに参加したり、09年からは矢野顕子とライブを行うなど、世界中でプレイしています。この音楽的交流の広さを表すように、今回のアルバムにも、ギターではパット・メセニーやスティーヴ・ルカサー、キーボードではボブ・ジェームスが参加、ZZトップのビリー・ギボンズとコラボするなどバラエティ豊か。矢野顕子ともファンタジックで穏やかなデュエットを披露します。

興味深いのは、ボーカル・アルバムのイメージであること。ベーシストというより、シンガーソングライター、ボーカリストとしてのアルバムを、20年かけて作ったという感じなのです。

これまでステージやレコーディングなど依頼された仕事をひとつひとつこなし、短期的に結果を出しつつ、それでも大きなスタンスで自分のアルバムを出した彼。たまたま20年だったのだろうけれど、ひとつの成果を出すために、ずっと積み重ねてきた姿勢がすごいです。

そんな彼にならって、少し遠い未来を考えてみませんか。ちょうど、2014年はどんな年にしたいか、1年のスタンスで物事を考える時期。目線をあげれば、目先の成果ではなく、視野が広がって、今まで見えなかった所に光が射しているのを見つけられるかもしれません。

とりあえず、長いスタンスに立てば、流行に流されることは無くなりそうですよね。あ、これが目先の利益かな、いけない、いけない。

pagetop