山下くに子のこの1枚

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元FM横浜アナウンサー。小学館ビッグコミック『CD探検隊』連載中の『山下くに子』がお薦めするバラエティに富んだ名盤の数々をご紹介します!

希望の音をならそう!

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希望の音をならそう!
坂本龍一
「音楽図鑑完璧盤」
  発売日:1993/9/21 品番:MDCL-1243 定価:3,041
2014年9月1日

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岩手県・宮城県・福島県の方ならご存知かもしれませんが、「こどもの音楽再生基金」という、東日本大震災で被害を受けた学校に対して、被災した楽器を修復するなど楽器関連での復興支援を行っているプロジェクトがあります。このプロジェクトのすごいところは、楽器だけでなく、楽器を演奏する機会も生徒に提供していることで、「希望の音をならそう」をキャッチフレーズにスクール・ミュージック・リバイバル・ライブという演奏会を開催しています。

その発起人となっているのが、坂本龍一さん。「震災は、生活支援がひと段落すると、必ず本や音楽が必要になる」という想いでスタートしたもので、3年間という当初の目標を達成し、この8月に最後の演奏会が開催されました。

そのライブのテーマ曲となっているのが、84年にリリースされた「音楽図鑑」に収録されている「エチュード」。テンポの良いジャス・テイストの曲で、ライブでは生徒たちもノリノリで演奏しながらジャンプ! 坂本さん自身も、演奏に参加するのが恒例でしたが、残念ながら今回は病気治療のため欠席。それでも、生徒たちは、演奏できることの楽しさを爆発させて、元気いっぱいに飛び跳ねていました。
 この「音楽図鑑」は、それまでのテクノ路線を離れ、アカデミック路線になったと言われたアルバム。ファンの中にも、このアルバムが一番好きという人が多いほど、今でも人気が高い作品です。

ちなみに「完璧盤」というのは、再発の際に、初回特典の曲とカセットテープ版(!)にしか入っていなかった曲を収録しているから。完全盤というのも存在します(笑)。もっとも、リリース当時はアルバムもLPだったわけですから、時代を感じますね?!

震災や復興支援は「忘れる」ということが一番怖いと言われています。本当に、災害など生活が大変なときには音楽どころじゃないわけで、聴くにしても、演奏するにしても、音楽を楽しめる自分の状況や幸福をもういちど噛み締めつつ、私も、できる支援を続けたいと思います。

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