山下くに子のこの1枚

写真
元FM横浜アナウンサー。小学館ビッグコミック『CD探検隊』連載中の『山下くに子』がお薦めするバラエティに富んだ名盤の数々をご紹介します!

発信する音楽鑑賞!? 新時代がやってくる!

写真
発信する音楽鑑賞!? 新時代がやってくる!
ファレル・ウィリアムス
「GIRL/ガール」
  発売日:2014/04/30 レーベル : SICP-4129 価格:2,376円
2014年12月1日



201411182a.jpg



YouTube、ニコニコ動画など、誰でも気軽に作品を発表できる動画投稿サイトが人気です。以前、AKB48の「恋するフォーチュンクッキー」を、いろいろな人が「踊ってみた…」と投稿して話題になりましたが、今年は、ファレル・ウィリアムスの「Happy」を世界中で楽しむご当地ビデオに注目が集まりました。

ファレル・ウィリアムスは、グラミー賞も受賞したアメリカのアーティスト。歌手のみならず、プロデューサー業やデザイナー業もこなし、時代のアイコン的存在です。

もともとは、アルバム「ガール」のプロモーション用に、アルバムのリード曲である「Happy」を24時間延々と繰り返し、いろいろな人が踊る様子を収録したミュージックビデオを制作したのが始まり。「いろいろあるけど、私は幸せよ?、幸せ?」と軽快に歌って踊る様子が人気となり、世界中の人が、それぞれのハッピーを自然発生的に表現し始めたのです。

中でも注目を浴びたのが、Happy福島版。原発事故の影響でマイナス・イメージがある福島で、明るく、普通に、笑顔で過ごす人たちが楽曲に合わせて踊る様子がネットで公開されると、たちまち大評判に。前向きな被災地の様子に世界中から応援コメントが寄せられました。ちなみに、日本でも、東京、京都、沖縄など多くの「Happy」動画があり、世界では150ヶ国以上、2000都市に迫る勢いで、個人発信のご当地バージョンが制作されているそうです。

楽曲には著作権が絡みますが、今回に関しては、ファレル自身も「もう僕だけの曲じゃない」と、個人が発信するものについては認めているそう。

このような広がり方は、マーケティングの観点からは有効な情報プロモーション手法なのですが、音楽ファンとしてみると、音楽の楽しみ方に新しいスタイルが発生したように思います。音楽を受動的に「聴く」のではなく、能動的に「楽しむ」。それも、単にライブ会場で盛り上がるのではなく、自分が楽しんでいる姿を公開して盛り上がる、音楽をひとつのツールとして、ブームに乗ることを楽しむ…。いずれ国語辞典の「音楽鑑賞」の項目に、新しい解釈が加わるかも!?

ちなみに、「Happy」は映画のサウンドトラックに使われ、アカデミー賞にもノミネートされていましたが、惜しくも受賞ならず! 受賞したのは、あの「アナと雪の女王」の「レット・イット・ゴー」でした。

pagetop