山下くに子のこの1枚

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元FM横浜アナウンサー。小学館ビッグコミック『CD探検隊』連載中の『山下くに子』がお薦めするバラエティに富んだ名盤の数々をご紹介します!

充実感は自分で作れる!

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充実感は自分で作れる!
グスターボ・ドゥダメル指揮
シモン・ボリバル交響楽団 シモン・ボリバル弦楽四重奏団
 エル・システマ 40周年記念アルバム 
  発売日:2015/1/27 レーベル : UCCG-1697 価格:2,000円+税
2015年8月1日

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音楽教育に携わっている方なら先刻ご承知とは思うのですが、「エル・システマ」という社会教育プログラムがあります。南米ベネズエラで始まったもので、銃声が響き、殺人が珍しくない貧しい地域の子どもたちにバイオリンなどの管弦楽器を与え、合奏を通じて、生きる目的や夢を与えようというもので、音楽に打ち込む力を麻薬などの犯罪や非行への抑止力にし、子どもたちを貧困の負のスパイラルから救い出そうという取り組みです。その活動が40年を迎えたのを機会に今年リリースされたのが、このアルバムです。

指揮をしているのは、このプロジェクトの出身であり、弱冠29歳でロサンゼルス・フィルハーモニックオーケストラの音楽監督に抜擢されたグスターボ・ドゥダメル。演奏も、エル・システマ出身のメンバーのシモン・ボリバル交響楽団。ハイレベルな音楽仲間の演奏という感じで、まとまりも良く、何より、音楽を楽しんでいる雰囲気と若さならではの勢いがあります。

コンサートでのアンコールナンバーとしてYOU TUBEでも人気となった「マンボ」をオープニングに、全12曲。ベートーヴェンのようなクラシック定番から、ブエルタスの民族的管弦楽まで、幕の内弁当状態で楽しめます。

このプログラムを応用したものは、今や世界50カ国以上で展開されており、東日本大震災で被災した相馬市でも行われています。

楽器のお稽古は裕福な家庭の教育という概念を変え、打ち込むものがあれば環境も乗り越えられると証明したエル・システム。音楽の力もありますが、打ち込むことが大切なんだそうです。

以前、何かに夢中になって時間が経つのも忘れたことはありませんか? そんな時、人は高揚感と幸福感に包まれているわけですが、いずれ充実感につながるその感覚は、娯楽などで得られることはないため、また打ち込むことになるんだそうです。そして「一生懸命に打ち込む→また充実感が得られる」というプラスのループができあがります。

ということで、最近、打ち込んでいるもの、ありますか?(笑)

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