山下くに子のこの1枚

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元FM横浜アナウンサー。小学館ビッグコミック『CD探検隊』連載中の『山下くに子』がお薦めするバラエティに富んだ名盤の数々をご紹介します!

絶対歌いたくなるスタンダードジャズ

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絶対歌いたくなるスタンダードジャズ
伊藤君子
 津軽弁ジャズ?ジャズだべ!ジャズださ!
  発売日:2015/10/23
レーベル : COCB-54180 価格:2,500円+税
2015年12月1日

まずは「トトトン・トトトン・トトトン…」のリズムで「好きだ・好きだ・好きだ」と言ってみてください。次は、それを高速で「トトッ・トトッ・トトッ…」のリズムで「好きだっ!」を繰り返してみてください。すると…? あ?ら、不思議。「好きだ」が「シュダッ」に変化して、いつのまにやら「シャバダ・シャバダ♪」のスキャットに…!

日本を代表するジャズシンガーの伊藤君子さんが10月にリリースしたのが、この津軽弁のアルバム。収録されているのは、「この素晴らしき世界」「ラストダンスは私に」といった、「超」が3つくらい付きそうな超スタンダードナンバーで、これを「あんだの好きなふとど踊でぐればえでばし…♪」と津軽弁で歌っちゃっているんです。もともと、2009年に同様のアルバム第1弾を出されて大きな話題に…。きっかけは、津軽弁トークで有名な伊奈かっぺいさんと出会ったことだったそうで、ジャズを方言で歌うのは、彼女が日本初! 津軽弁…とわかっているから、そのつもりで聞いてしまいますが、何も事前情報が無ければ、「なんか、ときたま知っている言葉が空耳のように含まれている不思議な歌」です。そして、この津軽弁に触発されて、自分の育った土地のことを思い出し、なにやら暖かい気持ちにさせてくれる不思議な魅力を持ったアルバムなのです。

軽弁は、ご存知のように、発音が微妙に濁音だったり鼻にかかったりして、母音と子音が微妙にずれます。実は、この「ズレ」こそが、ジャズのスイングに乗るんだそうです。知らなかった?!

津軽弁で「××して」は、「××してけろ」ですが、さらに「やってよ!」というような強さを出す時は、「××してけろじゃ」というのだそう。

聞くと、自分も方言で歌いたくなります。さぁ、あなたのルーツの言葉で、歌ってみてけろじゃ!

ちなみに、私の文章中の「歌っちゃっている」は、標準語ではなく、東京地域の方言です(笑)

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