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山下くに子のこの1枚

福島から愛をこめて
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山猿 |
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あいことば3 |
発売日:2016/2/17 レーベル : ESCL-4560 価格:3,200円(税込) |
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2016年7月1日 |
この、ほのぼのとしたジャケット。なんとなく、アーティストのスタンスが伝わってきます。
山猿は、福島を中心に活動しているヒップホップ系の男性アーティスト。2011年の東日本大震災で被災し、その直後、避難所生活を送りながらのライブ活動は、メディアでも紹介されました。当時はバンド編成でしたが、2年前にソロに転向。1枚目の「あいことば」はバンド時代に出しているので、この「あいことば3」がソロになって2枚めのアルバムです。合言葉ではなく、愛の言葉がたくさん詰まったアルバムだそうです。
前向きな歌詞と、思わず身体に力が入るリズム感。ヒップホップ系ですが、とてもメロディアスで、ラップ調の歌詞はわかりやすく、ついつい自分を重ね合わせてしまいます。イントロからワクワクするような曲が多く、アニメのオープニング主題歌になっている曲や、優しいものからハードなものまで、どれも単純にカッコイイ。中には、「先生ちょっと話聞いて…」なんていう気になるタイトルもありますが、やはり、一番話題になっているのは、華原朋美さんとのデュエット曲「Happy days」。彼女の声の明るさも手伝って、元気ハツラツになれる1曲です。
地元・福島で震災復興の活動や、ライブ活動も積極的に行っている山猿。辛く苦しんだ人は、愛に敏感になると言われますが、彼も、被災してすぐのライブで歌ったからこそ、多くの人の力を感じて、今も歌っていられるそうです。
形こそ違え、誰でも辛いことや悲しいことはあるわけで、何より大切なのは、辛いことへの向き合い方、そして、そこからの立ち上がり方なんだと思います。
もっとも、私の場合は、立ち上がるときに「よっこらしょ」の掛け声が必要なお年頃ではありますが(笑)、そんな時にも、この前向きなヒップホップが心のアシスト役を務めてくれそうです。