- ホーム
- HALF TIME
- 点鐘 [連載コラム]
- 世界の希望はここにある
点鐘 [連載コラム]

世界の希望はここにある
2017年1月1日、アントニオ・グテーレス氏が国連事務総長の任についた。グテーレス事務総長は、元ポルトガル首相で、その後10年間国連高等難民弁務官として働いてきた。事務総長はインタビューに答えてこう語る。「今日の世界で私たちが直面する最も劇的な問題は、平和の欠如です。…戦争はますます卑劣に、人々の苦しみはますます深刻になっています…また2030アジェンダ(SDGs)や気候変動協定…の効果的なフォローアップを確保すること…人権を確保していくという問題もあります。」
グテーレス事務総長の下、副事務総長には、ナイジェリア出身のアミーナ・J・モハメッド氏、事務総長官房長にブラジル出身のマリア・ルイザ・リベイロ・ビオッティ氏、政策担当特別顧問に韓国出身のカン・ギョンファ氏が任命された。いずれも女性であり、事務総長は「ジェンダー平等と地理的多様性を配慮した」と述べている。
そして難民問題に取り組んできた同事務総長は、「全世界で難民の保護状況が深刻に悪化し…世界各地でポピュリスト的、排外主義的な考え方が広がり、移住に対する敵意が高まっていることに…憂慮している」とし、「移住を人間的な観点から捉え…移住が世界の問題を解決する上で当然の要素の一つとみなす」ことが必要だと述べている。
同様のことをニューヨーク州のクオモ知事が、アメリカ大統領選挙直後の2016年11月12日にこう表明した。「ニューヨーカーである我々の哲学は、…トランプが唱えたものとは根本的に異なります。…ぜひ知っておいてください。あなたが攻撃されていると感じたら…ニューヨーク州があなたを保護するということを。あなたがゲイであるかストレートであるか、イスラム教徒であるかキリスト教徒であるか、富める者か貧しい者か、黒人か白人かあるいは褐色系かに関わらず、我がニューヨーク州はあらゆる人々を尊重し受け入れます。」
ー気候変動問題、難民問題、経済問題、インターネットなど…21世紀に起きている新しいテーマは全て国境を超えた地球規模の世界共通の問題で、世界中の人々が国境を超えて問題をシェアして取り組むことが求められている。それが世界の希望だろう。排外主義は問題を解決するどころか、泥沼の道・破滅の道になりかねない。このことを肝に命じて、グテーレス事務総長やクオモ知事から勇気をもらって、私も、できることに真剣に取り組みたいと思う。