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点鐘 [連載コラム]

エシカルが心地よい


今年の年初に、環境のことを考えてペットボトルを使わずタンブラーを使うことを決め、実行している。街のコーヒーショップでコーヒーを注文するときに、「このタンブラーにお願いします。」と言う。すると店員さんが洗ってくれて美味しいコーヒーを入れてくれる。少しコミュニケーションができ、しかもタンブラー割引もある。ほぼ1日保温・保冷するので、特に暑かった今年の夏はとても喉を潤してくれた。
秋口に少し大きめのタンブラーが欲しくなったところ、ちょうどスターバックスが20周年で記念のタンブラーを発売していたので、銀座マロニエ通り店で購入した。香り高いコーヒー一杯のおまけがついた。お店には「エシカル・コーヒー・パーティをします!」というパネルがあった。「倫理」と言ってしまうと強い響きを感じるが、この「エシカル」はなんとなく心地よい。良いことを楽しくしようという雰囲気がある。パーティの中身はコーヒー産地の中南米の小規模農家を経済面や技術面で支援して、世界中に美味しいコーヒー豆を届けているというサプライチェーンの説明だ。店員さんはとても誇りを持って楽しく話したり、コーヒーを入れている。彼女にとってこの仕事はディーセント・ワーク(はたらきがいのある人間らしい仕事)なのだろう。
ところで9月の終わりに表参道ヒルズに出店しているアイスクリームのベン&ジェリーズが、再生可能エネルギーによるスマホの充電サービスを期間限定で始めた。「地球温暖化が進むとアイスクリームもすぐ溶けてしまう。再生可能エネルギー100%を目指そう」と訴えている。電気は、国内各地で市民の手で作られている再エネの電気を蓄電して持ってきたもので私の友人の電気も蓄電されている。
さてこうした動きをまとめれば、今年スタートした国連による「持続可能な開発目標(SDGs)」を達成する動きだと言ってよい。貧困・飢餓をなくす、健康と福祉の推進、質の高い教育の提供、ジェンダーの平等、きれいな水と衛生、クリーンエネルギーへのアクセス、全ての人々のための持続的・包摂的かつ持続可能な経済成長とディーセント・ワーク推進、インフラと持続可能な産業化、国内・国家間の格差是正、持続可能な消費と生産など17の目標を達成して希望ある地球と世界を築くために、企業も市民も生活と仕事のレベルから取り組みを強めていかなければならない。その際大切なのは、「楽しく暖かくエシカルに」、ということだろう。