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長時間労働是正に必要な3本柱「業務削減、教職員定数改善、給特法の廃止・抜本的見直し」を訴える!
2025/04/25
4月25日、衆議院文部科学委員会において、給特法等改正案にかかわる参考人質疑が行われました。日教組梶原貴中央執行委員長が参考人として意見陳述を行いました。
梶原貴中央執行委員長の意見陳述の概要は以下の通りです。
学校現場に積み重なってきた業務、深刻化している子どもの課題、一方で、国による教職員定数改善計画は策定されず、加配教職員も十分に配置されない中、2019年に給特法改正により、労基法同様の時間外在校等時間に上限が設定された。しかし、3年後の勤務実態調査では30分程度の縮減としかなっていない。教職員の精神疾患による休職者は増加し、深刻な教員不足、教職希望者の減、離職者の増と学校全体は非常に厳しい状況となっている。
現在、日教組では、学校の働き方改革に関する意見投稿フォームを設け、現場の声を集めている。「しんどい子どもに寄り添いたくて教員になった。丁寧にかかわりたいが、できておらず、何のために教員になったのか、心が痛い。」「全体にかかわる業務を優先し、いちばんやりたい、やらなければならない授業準備が間に合っていない。子どもたちに申し訳ない。」「あと何年、過労死ライン越えの働き方を続ければいいのでしょうか。今週も土日は部活と事務処理で出勤です。いつまで我慢しなければならないのでしょうか。」等の悩みが届いている。
現場は何を求めているか、それは「業務削減、定数改善、給特法の廃止もしくは抜本的見直し」である。
①業務削減について、「業務の三分類」の確実な実行のための国による財政支援、学習指導要領の内容精選と標準授業時数の削減、部活動の地域移行の推進のため国による財政支援が必要。
②教職員定数改善について、持ち授業時数に上限を設けるなど、授業準備などが勤務時間に終えることができる教職員の改善が必要。また、スタッフ職の拡充が必要。
③給特法については、すでに前回の給特法改正において課題は整理されており、廃止または同様の抜本的見直しにむけた議論をすすめるべき。
今回の法改正は応急措置であって、教員の処遇改善としても長時間労働是正としても不十分。長時間労働を是正する仕組みを強化すべき。
質疑で梶原委員長は、働き方改革をすすめるための校務DX化や「業務の三分類」を移行していくにも、自治体の財政力が影響しており、国が責任をもって財政支援をするべきであると述べました。また、給特法を廃止し、労基法のもとで働くことになる学校現場はどうなるかという質問に対しては、労基法に移行したとしても直ちに長時間労働が是正されるものではなく、労使双方で時間を意識した働き方を実現させて、業務を減らすことや人を増やすことにつながると考える。一方、労基法の導入により緊急な子どもの対応が時間外ではできないといった誤解が生じているが、緊急や必要な対応をするために36協定を結び、協定時間を超えそうな場合については労使で協議したうえでの対応は可能と述べました。新採用者の精神疾患者が出る現状の打開策について、新採用者への学級担任を持たなくてもよい等のサポート体制や若年層を守る仕組みづくりは誰もが働きやすい職場づくりになる、忙しくて同じ職場でも相談できない現状を改善し、同僚性を確保することが必要であると述べました。
衆議院インターネット中継にビデオライブラリがありますのでご参照ください。
https://www.shugiintv.go.jp/jp/
ビデオライブラリの発言者に「梶原貴」を入力し、ご視聴ください。