「教職員の働きがいに関する意識調査」から
今、教育現場に求められるもの

「教員の働きがいに関する意識調査」とは?

日本教職員組合は、(社)国際経済労働研究所の協力を得て、教員の働きがいの実態とその要因について 一般企業の従業員(組合員)のデータと比較するための調査を実施しました。 調査結果を踏まえ、教員独自の働き方や働きがいの構造及び教員のストレス要因等を考察 し検討を行いました。

掲載日:2012/05/10

調査の概要

調査時期 2010年11月中旬~2011年1月下旬
調査主体 日本教職員組合、(社)国際経済労働研究所
調査対象 小学校・中学校・高等学校:小学校、中学校、高等学校ごとに都道府県で120人ずつ無作為抽出。
特別支援学校:都道府県で10人ずつ無作為抽出。

回収状況

無記名で回答した回答用紙を組合が回収

比較対象データ

(社)国際経済労働研究所が、労働組合を参加関与型の組織として再生させるためのプロジェクト「ON・Ⅰ・ON2」の下に実施している第30回共同調査データ。

調査主体 1990年11月下旬~現在
分析対象 参加労組ごとに全組織人員の1%相当を無作為抽出した有効回答22628件。 (本調査では、2008年12月までに実施された186組織のデータを、2009年9月に更新したものを使用)

調査結果の要約~ずっと生き生きと働き続けるには~

調査の概要

一般企業の従業員と比べてみると・・・

非常に高い教員の意欲

「そう思う」の割合

一般企業の従業員と比べ、教員は「楽しい」「生きがいを感じる」「仕事を続けたい」「満足している」 などの割合が高く非常に高い意欲を持って仕事に臨んでることがわかります

しかし、年齢とともに低下する意欲

今の仕事を続けたい

しかし、仕事への継続意志(内発的側面と外発的側面を合わせた総合的な働きがい)年齢別にみると、高年層ほど低くなることがわかります。 一般企業の従業員では意欲自体が比較的低いものの、年齢と共に緩やかに高まっていくのに対し、教員では若年層で非常に高い意欲がその後持続せず、 次第に失われていきます。高い意欲・やる気をもって働く教員は無理をしすぎるため疲弊し、バーンアウトしてしまう可能性が高いといえます。

なぜ意欲は低下するの?

休暇や労働時間(満足)
今の仕事が楽しい

給与や労働条件によって生じる「外発的な働きがい」と内から沸きおこる「内発的な働きがい」を比べると、大きく「内発的な働きがい」に偏っています。 労働条件を改善し、両方のバランスをとる必要があります。

過重労働によるストレス

仕事が忙しいので睡眠時間を削っている
1ヶ月の超過勤務時間

休暇や労働条件の満足度が低いことからもうかがえるように、教員の働く環境は厳しく、 超過勤務時間も50時間をこえ一般企業に比べて2.5倍と非常に多くなっています。こうした過重労働からストレスをかかえる教員が多くみられます。

このままでは燃えつきてしまう・・・

教員の病気休職者と精神疾患者数

2010年度の文科省調査においても、病気休職者の中で、精神疾患による休職者のしめる割合が63%(過去最高の5400人)を超えるという結果が発表されました。
現場から、「疲れた・・・」「やめたい」という悲鳴があがっています。
このままの状態が続けば、燃えつきてしまう教職員がますます増え続けていくことになりかねません。

燃えつきないためにはどうすればいいの?

  • 働きがいのバランスをとるために

    これらの条件を整えることが働きがいを保つためにも重要です。

    職務自律性と総合働き甲斐の関係

    働きがいに「職務自律性」が関係しているのは教員の大きな特徴です。
    上の図から、「総合的働きがい」(働き続けたい)と「職務自律性」 (自ら判断・コントロールしながら仕事をできること)には相関関係があることが明らかです。
    理想とする教育や授業、学級経営を実践できているかが、働きがいに大きく影響します。 職務自律性が低いと、「やらされ感」を持った働き方になり、働きがいを低下させます。

  • ストレスを和らげるために

    これらの原因を改善することにより、ストレスを和らげることが重要です。

    自分が理想としている仕事状況と現実とのギャップが大きい

    上の図から、「自分が理想としている仕事状況と現実とのギャップが大きい」と各都道府県の精神疾患者率との相関関係がはっきりと表れています。
    教員は、教育への夢や理想を持っているがゆえに、そのような教育ができないことが大きなストレスの要因になっています。 教員の声が教育の現場にうまく生かされるように、対話を重ねることが重要です。

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