教育予算に関する学級担任アンケート調査結果

掲載日:2008/12/25

日本教職員組合では、全国の小・中・高等学校の学級担任の先生方を対象に、教育の予算に関するアンケート調査を実施しました。
主な調査結果は以下のとおりです。

調査目的 家庭の所得の違いによる教育格差の状況や自治体における教育予算の格差状況を明らかにし、その実態を広く国民にアピールするとともに、国・自治体に改善を求めること
調査方法 郵送調査(無記名式)
調査対象 各都道府県義務制諸学校の学級担任及び各都道府県高等学校の学級担任
有効回収数 3913名
実施期間 2007年9月25日(火)-12月21日(金)

8割以上の学級担任が、経済力格差が学力格差に影響していると感じています。

家庭の経済力や格差が子どもの学力格差や進路に
影響を及ぼしているとおもいますか。

家庭の経済力の格差が子どもの学力格差や進路に影響を及ぼしていると「思う」教職員は、全体の83%と8割以上にのぼります。

学校種別に見ると、「思う」の割合は、小学校で81%、中学校84%、高等学校で87%と、小中高と進むにつれて高くなる傾向が見られます。

担任の声(抜粋)

小学校 保護者の雇用が不安定で、生活自体も不安定になり学習へと向えない状況が多い。(福岡県)
中学校 収入の豊かな家庭の子どもが学力を身につけ、収入が厳しい子が低学力・問題行動に走る傾向が残念ながらある。(福岡県)
中学校 家庭の経済状況を子どもなりに配慮し、行事に参加しなくて学校から遠のく、あるいは意欲が無くなる、進学を断念するなど格差の悪循環を生んでいる。(滋賀県)
高等学校 学力的に大変頑張っている生徒がいるが、家庭の経済状況の為、進学が可能かどうか分からず、現在学習意欲が少し低下している。(広島県)
高等学校 学力、人物共に申し分なく進学を希望しても、家庭的事情により断念してしまう。(沖縄県)
高等学校 進学か就職か選択条件の一番大きいのが、「お金が出せるか、出せないか」です。成績の良悪よりも、意欲の有無よりも、お金の有無が大きいです。(山形県)

約半数の学級担任が学校納入金の未払いを体験しています!

あなたの学級に、学校納入金(学年費、学級費、修学旅行費、遠足台、副教材費など)が未払いな実態がありますか。

副教材費や修学旅行費など学校納入金が未払いである実態を経験した学級担任の割合は、全体の46%と半数近くにのぼります。

学校校種別に見ると、実態が「ある」との回答は中学校(60%)で最も高く、次いで高等学校(55%)、小学校(35%)となっています。

学校納入金未払いの処理については、「未集金のままにしている」が全体の6割弱にのぼっています。
「立て替える」が3割、「その子は、修学旅行や遠足に参加しない」「その子は、副教材がわたらない」といった回答も見られます。

担任の声(抜粋)

小学校 指定の体育着が買えない。行事(修学旅行、キャンプ)の道具が買えず、参加しづらい。(静岡県)
中学校 遠足のバス代が払えないので子どもを行かせなくてもいいと親に言われたことがある。(青森県)
中学校 給食費が未納であることを生徒本人が知っているため、体調不良等により食べることを遠慮しているような発言があった。(兵庫県)
高等学校 授業料が払えなくて休学して県外へ行く。そのまま退学する生徒も多い。(沖縄県)
高等学校 昨年まで勤務していた前任校では、経済的に厳しい家庭が多く、結果的に5万円程立て替えたが、返金の見込みがない。(大分県)
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