能登半島地震 教育支援ボランティア ⑤

 9月21日の豪雨により被災されたみなさまに心よりお見舞いを申し上げます。

 

 今回は、8月20日・21日に石川県珠洲市内の県立高校において図書館を中心とした書籍の片づけ・分別ボランティアに参加した組合員の声をお届けします。

 

神奈川県高等学校教職員組合からの参加者

 今回、倒壊した建物も多い珠洲市内の高校で活動しました。敷地が地割れなどでガタガタなのに、校舎はやや傷みはあるものの、ある程度問題なく使用できる状況です。

 活動場所の図書館の学校司書の方は、発災から数日ぶりに学校に行くと、すっかり風貌が変わってしまった同僚がいた、とおっしゃっていました。災害が起これば、学校は建物が頑丈なだけに地域で頼られ、職員は直接関係のない業務に奔走することになると再認識させられました。

 学校司書の多くは一人職で、石川の県立高校では会計年度任用職員の学校司書が概ね全校に配置されているとのことですが、震災後の片づけはとても一人ではできません。この高校では、最優先で図書館の復旧をと、教職員やボランティアが協力してくれたそうです。今回、短い時間でしたが4人で支援活動したことで書庫の散乱した本や物も一気に片付きました。

 このような災害時にこそ、図書館が普通に開いていて、いつでも本が読めることで安心した生徒もいたと思います。子どもたちが一日も早く、本当の日常を取り戻せる日が来るよう、これからもできる支援を続けていきたいと思いました。

 

神奈川県高等学校教職員組合からの参加者

 2日という短い日程でしたが、本当に学ぶことばかりの貴重な経験となりました。ボランティアへの参加は初めてで、補修中の道路や倒壊した建物を見て、あちこちで衝撃を受けました。

 お伺いした高校では学校司書の方を含め職員の方々に温かく迎え入れていただきました。生徒たちも図書館へ来ており、聞こえてくる進路や学習に関する会話に少しほっとしたのを覚えています。閲覧室も想定より復旧作業が進んでいるように感じました。一方で、石川県高等学校教職員教組合の方がおっしゃっていた「まだまだ、先は長い」という言葉が印象に残りました。実際、手つかずの箇所も多いそうで、今回要請のあった書庫も同様のようでした。できることは限られていましたが、本の運び出しや廃棄の準備などを行いました。一人では気後れしてしまう部分の片付けに向けて、今回の作業がきっかけになっていれば幸いです。

喜んでくれる生徒の顔を思い浮かべながら楽しく作業

 また、先輩方と一緒に作業できたことも大きな学びとなりました。普段は一人きりのため、誰かと仕事をするとなったときにどう動くか、自分は何ができるのかを考えさせられました。手伝いに行くばかりか、それ以上に多くのものをいただいてしまいました。関わりのあった皆様に感謝しています。

 

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