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連合「学校の働き方改革の実現に向けたシンポジウム」開催

2023/05/31

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 「学校の働き方改革の実現に向けたシンポジウム」が5月25日(木)東京・全電通労働会館で開催(Zoomウェビナー併用)されました。構成組織、地方連合会、連合フォーラム議員、一般参加者の計240人名が参加し、第1部は講演および課題提起、第2部はパネルディスカッションを行い、長時間勤務の改善のための方策について課題認識を共有しました。

 

 冒頭、主催者を代表して清水秀行事務局長が、「先月公表された文部科学省による2022年度の『教員勤務実態調査結果』の速報値では、6年前の調査と比べて小・中学校とも1日30分程度、勤務時間は減少したものの、今なお、中学校は過労死ライン超え、小学校も持ち帰り時間を含めれば過労死ライン超えとなっています。本シンポジウムを契機として、1年程度見込まれる中教審における議論に参画し、真なる学校の働き方改革の実現に向けた取り組みを精力的に行っていく」と挨拶を行いました。

 

 次に、小川正人さん(東京大学名誉教授)が、「学校の働き方改革の進捗状況と今後の取組み課題」と題して基調講演を行いました。「働き方改革推進法と2019年中教審答申」「学校の働き方改革の進捗状況と検証」「時間外在校等時間をどう措置するか」について、前回中教審答申のとりまとめと積み残された課題に関する当時の議論の内容なども織り交ぜて、金銭的措置をめぐる方策、時間外在校等時間に対する健康確保に求められる措置など、検討にあたっての選択肢も示しながら、説明されました。

 

 続いて、冨田珠代総合政策推進局長から、連合の2023年度の重点政策(教育政策)について説明した後、学校の働き方改革にむけた連合の要求について、前回の給特法改正につながる中教審特別部会で反映された点、および残された課題と今日までのとりくみについて説明しました。そして、今なお過労死ライン超過の状態にあることに言及し、どのような方策が求められているか、パネルディスカッションを通じて議論を深めていただきたい、と提起しました。

 パネルディスカッションは、小川さんがコーディネーターを務め、村尾崇さん(文部科学省・初等中等教育局財務課財務課長)、佐藤博之さん(公益社団法人日本PTA全国協議会常務理事)、重藤恵さん(茨城県公立中学校教員)、岩埜理恵子さん

(木更津市立高柳小学校教頭)によるパネル討論を行いました。

はじめにパネリスト4人の方々による、自己紹介を兼ねたプレゼンテーションを行った後、「長時間勤務の改善のための方策」について各パネリストから発言をいただきました。

 現場から参加した重藤さんからは、中学校教員の一日のスケジュールが示され勤務時間の中で到底終わらない業務を、休み時間や給食の時間も仕事をして何とかこなしている毎日の様子が報告されました。岩埜さんからは学校での工夫で時間を作り出している状況と、教員が授業準備や教材研究、子どもとの時間を確保するためには1日2時間程度の空き時間(授業を行わない時間)ができることが望ましい、との要望が出されました。*資料

 

 最後に、全体を通して小川さんが、「学校現場の負担軽減・時間外勤務の大幅な削減には、新たな取り組みや切り口が必要ということは確認できた。例えば、小学校では20コマ、中学校で17コマという上限コマ数の設定など、それくらい新しい発想でやらない限り時間外勤務の大幅な削減はできないのではないか。中教審には思い切ったアイデアや施策を促す提言を期待するとともに、我々も見守るだけではなく、職場・地域から様々な意見を文部科学省に届ける取り組みが必要。文部科学省には、是非とも時間外勤務の大幅な削減・業務負担の軽減に直接結びつく施策の実施、教育委員会や学校への支援を期待したい。また、PTAの皆さんにもご理解・ご協力をお願いしたい。

とまとめ、シンポジウムを終了しました。

連合「学校の働き方改革の実現に向けたシンポジウム」資料

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