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日教組 TALISから見る日本の教職員の働き方 国際シンポジウム
2025/11/14
日教組は、11月7日、国際シンポジウム「OECD TALISから見る日本の教職員の働き方~ゆたかな学びを保障するための教職員のウェルビーイングを考える~」を都内で開催しました。
本シンポジウムは、OECD 国際教員指導環境調査(TALIS)2024の結果が公表されたことを受け、EI(教育インターナショナル)ディビッド・エドワーズ事務局長、津村啓介衆議院議員、氏岡真弓朝日新聞社編集委員、梶原貴日教組中央執行委員長が討議を行いました。
冒頭、梶原委員長は、TALIS調査結果が示す、「多くの業務に追われ、長時間労働が常態化し、その割に賃金は高くなく、仕事への満足度が低い」という実態では、教員が「才能を発揮して働ける環境」にはほど遠い現状であると訴えました。あらためて、日教組が掲げる「業務削減」「定数改善」「給特法の廃止・抜本的見直し」の実現にむけて、EI各国との連帯したとりくみを行ってきたことを報告しました。
ディビット事務局長は、日本の教職員の労働時間の異常さを宇宙に喩え、労働時間が短いフィンランドなどの国々は、地球の「大気圏内」に収まっているが、日本の働き方改革は、まだ「木星あたり」にあると表現しました。その上で、日本の教職員を「大気圏内」に戻すための政策が必要であり、日本の教職員が直面している問題の規模と緊急性を政治家や一般の人々に明確に伝えることが我々の課題であると述べました。
津村議員は、これまでの知識を詰め込む教育の時代は終わっているにもかかわらず、日本は教育のシステムを変えてこなかった。これからの教育界において、教職員の働き方改革と同時に、AIなどの活用をはじめ、世界的変革から取り残されないよう教育予算を増額させることが不可欠であり、政治が教育のダイナミズムを支える革新を担う必要性があるということを強調しました。
氏岡編集委員は、日本の教員の長時間労働が最長であることは予測していたが、むしろ驚いたのは、学校において「教員は互いに信頼しあうことができる」、「教職員が指導や学習についての信念を共有している」、「お互いに助け合う協力的な学校文化がある」という「同僚性」、「指導における同僚との協働等」についての数値が、前回調査より下がっていること。学校現場の危機的状況の深刻さが行政にきちんと届いていないのではないかと指摘しました。
全国の単組からも多くの組合員が対面とオンラインで参加しました。対面参加者からの質疑応答を通じて、ゆたかな学びを保障するための教職員のウェルビーイングの具体的な道筋が議論されました。1校あたりの教員の数を増やすこと、給特法の附則に盛り込まれた事項を確実に実現すること、教育に携わる人がもっと声を上げるべきであるということ、AIなどのメリットやデメリットを教員がもっと学ぶ機会が必要であるということなどの意見を受け、梶原委員長から、課題解決には「社会的対話」が不可欠であり、研究者のエビデンスにもとづき、労働組合、ジャーナリスト、議員がそれぞれの立場でとりくみをすすめていくことが重要であると訴えました。
TALISの調査結果は重要なエビデンスとなります。教員不足が深刻化している今、現場の切実な実態がなかなか行政に伝わらない現状がありますが、その課題解決には教職員組合が、メディア、政治家との連携を強化する必要があることを確認しました。日教組は、引き続き世界の教職員と連携し、社会的対話を通じて、持続可能な学校教育、教職員と子どものウェルビーイングのためにとりくむ決意を表明し、最後にアピール文を共有してシンポジウムを閉じました。



