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教育インターナショナル第7回世界総会 ~岡本書記長・EI副会長に就任

2015/08/19

教育インターナショナル第7回世界総会
~岡本書記長・EI副会長に就任

 2015年8月19日

7月21日から6日間、カナダのオタワで教育インターナショナル(EI)の第7回世界総会が開催されました。世界170の国・地域にある約400の教職員組合から1700人を超える参加者が集まりました。

これまでEI副会長であった加藤委員長が退任し、今世界総会で岡本書記長が新副会長として選出されました。

スーザン・ホップグッド会長 開会あいさつから

EIの主要な課題として、世界中のすべての子どもに無償で質の高い初等教育を提供する、という目標がある。2015年末までにこの目標を達成pすると世界164か国が約束したが、残念ながら達成は無理だろう。失敗の要因は、各国の教育政策・予算配分の誤りなどが挙げられるが、教職員の代表と政府との対話が不足していることが最大の原因である。政府が教職員をサポートし、バックアップしようとする姿勢が不足している。私たちは、この目標を達成しなければならない。2015年以降も同じ目標を国際社会として設定する作業にEIも直接関与している。

方で、教職員組合としての責任を果たさなければならない。教育ビジネスがここまで拡大するとは予測できなかった。OECDの調査や各国の調査に教育ビジネスが大きく関わっている。また、TPPなどの貿易投資協定の交渉が秘密裏に進められ、教育もその範疇にビジネスとして含まれている。利益追求型の新自由主義政策にはノーと言い、格差を広げる政策にはノーと言おう。

子どもたちに影響を及ぼせることを示そう。選挙権を行使することによって現実を変えられる。

フレッド・ヴァン・リューエン事務局長 基調報告から

今回の世界総会で総括する2011年から2014年までの4年間というのは、EIの長期的目標や願いを達成する上で、経済的にも政治的にも予想以上に厳しい環境だったと言える。

具体的には、国際的な人権基準や労働組合権の無視、労働組合に対して敵対的な態度を取る一部政府、質の高い教育などの社会的サービスを受ける権利に悪影響を及ぼす緊縮政策の遂行、格差の拡大、世界各地で混乱と破壊を引き起こしている武力紛争や宗教的原理主義やその他の過激思想などをあげることができる。EIと加盟組織は、このような背景のもと、すべての子どもに質の高い教育を普及させ、教職員の利益を促進するという任務の達成に向けて苦闘してきた。

国際社会において、私たちはいくつかの分野で勝利さえ手にできた。学校現場の実態に基づいた議論もそのひとつ。保守的な新自由主義勢力は、もちろん存在している。しかし、質の高い教育には質の高い教職員が必要であること、教職とは専門職であること、EI加盟組織が教職に就いている者たちの声を代表すること、教育は普遍的権利であり、その権利実現には各国政府が責任を負うことといった私たちの主張に異議を唱える国際機関は、もはやほとんどない。とはいえ、議論で相手を打ち負かしても、各国、州、地方自治体のそれぞれのレベルにおいて、政治的指導者たちが、その議論の結果を受け入れるとは限らない。教育予算の削減、教育の民営化、教職の脱専門職化、反組合政策などが、あまりにも多くの国で、当たり前の風潮のようになってしまっている。

前回の報告期間(2007年~2010年)と比べて、各国政府には国際基準を順守する義務があるのだと注意を促さねばならないケースが増え、EIの担当者たちは多忙を極めた。ときには、「静かな外交」という手段で、そしてときには、訴訟という形で、国際的な人権基準やメカニズムを駆使してきた。国際労働機関(ILO)に訴えて「勝利」した案件もいくつかあった。

この世界総会において今後のとりくみに向けて準備を整え、EIの活動の質を高め、連帯を深める確固たる土台ともなることを願っている。


日本教職員組合はEIの主要組織として、世界中のなかまと連帯し、質の高い教育の推進、教職員の労働条件の向上のために、とりくんでいきます。

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