談話

「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」に対する書記長談話

日本教職員組合書記長 清水秀行
2018年03月28日

スポーツ庁は3月19日、「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」を発表した。中学校では休養日を週2日以上、1日の活動時間を平日2時間、休業日3時間程度とするなどの基準が明記された。また、都道府県、学校設置者、校長による運動部活動方針の策定、地域スポーツ環境の充実推進などが盛り込まれた。高校においてもこのガイドラインを原則適用するとしている。

日教組は、これまで、子どもの人権と健康を守ることや過熱した部活動のあり方について実効ある方策を求めてきた。ガイドラインに、スポーツ医・科学の観点から活動時間の基準が数値として示されたことは、子どもの健康や安全を第一としたものであり、確実な履行が求められる。一方、本来生徒の自主的・自発的なものであるはずの部活動に加入が強制されている実態への言及がない。子どもへの負担軽減にむけ、複数校合同による部活動の検討、大会のあり方・参加資格の見直しなど、早急にとりくまれなければならない。

部活動が、教職員の長時間労働の主な要因となっていることは、文科省「教員勤務実態調査」においても明らかである。ガイドラインでは、中学校への部活動指導員の導入に合わせて校長に対し、適正な数の部を設置すること、顧問の決定にあたっては適切な校務分掌となるようにすること、負担が過度とならないよう活動実績等を確認することなどを求めている。しかし、部活動指導員の今年度予算措置は4,500人で十分とは言えず、教職員の長時間労働是正の観点からも今後の配置拡大が重要である。ガイドラインで示された内容を実効性のあるものとしていかなければならない。

日教組は、子どもの人権・健康・安全と教職員の働き方の観点から、持続可能な部活動のあり方について引き続き社会的対話をすすめ、社会教育への移行を求めていく。
以上

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