談話
2025年度「全国学力・学習状況調査」の結果公表に対する書記長談話
2025年10月01日
日本教職員組合書記長 山木 正博
文科省は2025年度「全国学力・学習状況調査」(PBTは4月17日、CBT・IRTは4月14~17日実施)に関する結果を3分割し、7月14日に結果公表①として学校むけ帳票・個人票を、7月31日には結果公表②として全国データに基づく分析結果を、9月30日に結果公表③として都道府県・都市別データを公表した。結果公表②の中で質問調査の「授業の内容がよくわかる」と回答した児童生徒の割合が年々減少しているとするデータは、学びの保障にむけ学校現場で様々な対応がなされているが、現行の学習内容が子どもに大きな負担となっていることの表れである。
文科省はPBTで行われてきた国語と算数・数学については「年度によって難易度や出題内容も異なることから過年度の結果と単純に比較することは適当ではないことに留意が必要」としている。しかし、CBT・IRTで実施された中学校理科を例に、今後は過年度との比較が可能になるとした。年度ごとの地域別・学校別・個人別の比較に加え過年度との比較により、点数学力に特化した詰め込みと競争の教育が危惧される。また、過度な競争を避けるためとして今年度より公表を3分割し内容も改められたが、数値があることで新聞等では相変わらず順位を掲載し比較や序列化をしている。PBTで行われた国語と算数・数学、CBT・IRTで行われた中学理科はどの教科も都道府県での差はわずかであり、悉皆調査の必要はなくなっている。「実施後アンケート」によって日本語指導が必要な子どもの他、長期欠席と特別支援学級の子どもは障害種別まで細かく調査している。この調査の目的を「支援策の検討・充実」としながらも、個人が特定できる回答番号や支援の内容を含む調査は問題があり、デジタル化がすすむ今日ではデータの目的外使用が懸念される。
競争を排除し、「カリキュラム・オーバーロード」の解消をはじめとした子どもの負担を減らし、学びあう楽しさを味わうことこそ今の学校教育に求められている学びの姿である。日教組は、引き続き悉皆調査廃止や調査の目的・方法・内容等の抜本的見直しを求めてとりくんでいく。また、各自治体に対しては、結果の適切な取り扱いとともに、子どもたちのゆたかな学びの保障につながる教育条件整備を強く求める。
以上



