アフガニスタン初等教育改善事業 2013年度

アフガニスタンでは、ソ連の軍事侵攻、そして、30年間に及ぶ内戦により、ほとんどの学校が破壊、占拠されました。タリバン時代には、女子の就学が原則禁止され、この間、知識人や教育者の暗殺が相次ぎました。2001年末のタリバン政権崩壊、暫定政権の樹立後は、国際社会の支援で教育の復興が推し進められています。アフガン教育省が2009年にまとめた教育開発5カ年計画では、2020年までに基礎教育の純就学率を男女共に98%とすることを目標に掲げ、重点項目として、普通教育・イスラム教育、カリキュラムの見直し・教員の教育、識字教育、学校施設の整備等を挙げています。

日本教職員組合は、2004年からシャンティ国際ボランティア会(SVA)と連携して、アフガニスタンの子どもたちの教育改善にとりくんでいます。

2010年時点の就学率は小学生が55%、中学生は32%にとどまり、依然として課題は山積しています。使用に耐える校舎を有する学校は50%にとどまり、多数の子どもたちがテントや野外での学習を強いられています。高等教育を受けた教員、特に女性教員が不足しており、教育の質の確保や女子教育が課題となっています。15歳以上の成人識字率は36%と低いのが実情です。また治安の悪化により、2013年は481校が、反政府武装勢力による閉鎖または焼き討ちに遭いました。165,000人の教員のうち80%は無資格教員であり、教員の養成・研修は大きな課題となっています。

2013年には、これまでテントで学習していたカブール市内の学校建設を開始しました。この学校は小学部・中学部・高校部まで併設されており、全児童・生徒数は4,082人です。また、学校図書室の普及活動として、23の小学校で移動図書館の活動を行い、SVAで作成した絵本を45校に配布しました。さらに、子ども図書館を開館し読み聞かせや各種行事などを開催しました。

2014年にも、こういった活動に継続してとりくみ、アフガニスタンの初等教育を改善していきます。

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