ネパール非正規学校校舎修繕および施設設置事業 2013年度

子どもたちから教育の機会を奪うだけではなく、心身の健全な成長をも阻害する児童労働は、その改善に向け地球規模でとりくまなければならない課題のひとつとなっています。ネパールにおいても、2008年の統計において160万人の子どもが児童労働を強いられています。これは、5~17歳の人口約770万人のうち、5分の1以上にあたります。加えて、ネパールにおける識字率の低さも深刻です。2011年の識字率は65.9%ですが、農村部のとくに女性の識字率はこの数字を大きく下回るものと推察されます。

ネパールは2008年の王制廃止以降、不安定な政治情勢が続いており、経済も遅々として発展していません。そのことは教育制度・内容についても同様です。公立学校に通うことができない子どもたちのために、同国教育省が「非正規教育センター」を設置し、貧しい地域の子どもたちに教育の機会を提供するように努めています。連合によって設立された公益法人であるJILAFは、ネパール労働組合会議と協働でこれまでに9校の非正規学校を運営しており、日本教職員組合は2013年度からJILAFと連携しています。

2013年度には、その9校のうち3校(モラン校、ナワルパラシ校、カイラリ校)の校舎修繕などを行いました。具体的には、校舎の壁や天井の修繕や補強、破損した窓ガラスの設置、校舎を囲む塀の設置、トイレの新設といったことです。一連の事業の結果、子どもたちがより安全・安心に学校で生活し、学習することができる環境になりました

2014年度は、教育の質を高めるため、教員の研修を実施し、ミニ図書館を設置するなどの事業を行う予定です。

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