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「一人の労働者として」学校現場の臨採を代表しての訴え 第88回メーデー中央大会
2017/04/30
4月29日に代々木公園で開催された第88回メーデー中央大会式典において、日本教職員組合臨時・非常勤教職員等全国協議会議長 川添まゆ美さん(滋賀県)が学校現場の臨時・非常勤の実態を報告しました。
以下、川添さんの報告内容です。
私は現在、小学校で臨時学校事務職員として勤務しています。教育現場で働く臨時・非常勤教職員は、正規の教職員と同じ仕事をしているにも関わらず賃金や労働条件では厳しい状況におかれています。正規でも非正規でも、子どもたちや保護者にとっては同じ教職員です。私たち臨時・非常勤教職員をとりまく課題は数多くありますが、中でも大きな問題の一つは、任期と任期の間にいわゆる「空白期間」が設けられており、その空白期間に仕事をしている実態があることです。私の勤務する滋賀県でも3月29日から3日間の空白期間が設けられています。年度末年度初めは、進級に関する仕事や会計業務、新年度の会議や準備など、子どもたちに関わる大切な業務がたくさんあるため、多くの臨時・非常勤教職員は任用が切れているにも関わらず仕事をせざるを得ない状況です。当然賃金は支払われず、万が一事故等があっても何の保障もありません。総務省、文科省は仕事があるのならば任用するべきで、空白期間を設けなければならない決まりはないとしています。しかし、現状では日数に差はあっても空白期間を設けている自治体がほとんどです。
私自身、こうした労働環境について、以前は時にはおかしいと感じることがあっても「学校で働くのが好きだから」「非正規なんだから仕方がない」と、自分自身に言いきかせながら仕事をしてきました。けれども、組合に入り決してそうではないことを知りました。私の生活や将来を心配し「せめてもう少し待遇のよい仕事に就いたらどうか」と言われることもありますが、良い待遇だけを求めて職を変えていったとしても根本的な解決にはならないことを感じています。滋賀県でも臨時・非常勤教職員のための専門部が組織化されて以降は賃金上限額の引き上げや年次有給休暇の繰越など大きな改善を勝ち取ってきました。当事者である私たちの「何とかしたい」という思いを、組合として具体的に「何とかしよう」としていくことで、状況は前に進んでいくこと、より多くの人と思いをつなぐことで大きな力になることを実感しています。
今、社会全体で多様な働き方を推進しようとする動きがある一方、実際に非正規として働く中で生じている課題・問題はますます深刻化しています。公務職場で働く臨時・非常勤職員については法整備も進んでおらず、依然法と法の狭間に置き去りにされていると言わざるを得ません。だからこそ、私たちは労働運動の大切さを強く感じています。また、そのとりくみは私たち自身の生活や将来を守るための闘いであると同時に、未来の労働者である子どもたちを守るためのとりくみでもあります。さまざまな理由で非正規として働いていますが、私たちも労働者です。正規か非正規かに関わらず一人の労働者として大切にされる社会をめざし思いをつないでいきたいと考えています。
働く仲間の抱えるさまざまな問題の解決や処遇改善をめざして…ともにがんばりましょう。