ニュース
学習指導要領改訂にむけたシンポジウム&院内集会
2024/11/27
11月26日、参議院会館にて学習指導要領改訂にむけた院内集会を開催しました。対面での参加が全国の単組から対面で150人、国会議員20人(秘書参加含む)、Webによる視聴者161人でした。
現在、学習指導要領の改訂を前に、現行の学習指導要領の問題点を「カリキュラム・オーバーロード」という言葉でとらえる動きが現場と文科省の双方ではじまっています。この問題点と課題について東京学芸大学の大森直樹さんからお話をいただきました。学習指導要領と同時に改定される標準時数のありかたに着目し、現在多くの義務教育学校では小学4年から中学3年まで1日に6時間の授業をしているが、それは子どもの生活に合っているのかという視点で研究されてきたことについて講演がありました。
シンポジウムでは、コーディネーター 共同通信社編集委員の名古谷隆彦さん、パネリスト 大森直樹さん、柏原登希子さん(ふぇみん婦人民主新聞記者・保護者)、水本王典さん(現場教員)がカリキュラム・オーバーロードをめぐる問題をどうとらえるか、不登校の子どもが増えていることとの関連、そして私たちが今後どうするべきなのかをテーマに論議しました。
〇保護者から見た子どもの姿から
・授業が学習内容過多なうえにものすごいスピードで進んでいく
・一日休むと授業についていけなくなる
・授業の詰め込みだけではなく全体的に窮屈
・給食の時間が15~20分しかない
・休み時間に遊ぶ時間がない
〇教科書の問題点
・学習指導要領をもとにして教科書が作成され、その教科書を作って授業をするが、現在の教科書は内容もページ数も増えている。しかし、分量だけでなく、その学年で理解することが無理な内容や理解を混乱させる内容等が盛り込まれているのではないか。
〇働き方改革と多忙
・単に授業の持ちコマ数だけの問題ではない
・抜本的な標準時数の見直しが必要
・教員からの電話連絡が18時すぎ・・・保護者としても教員の働き方が心配になる
・自分は10月時間外勤務時間が78時間、それでも少ない方。業務が多岐にわたり、勤務時間内では間に合わない。一番大切な授業の準備をする時間が無くなる。そうすると授業がうまくいかなくなり、わからない子どもたちが出てくる。それでも授業はすすめなければならない。若い教員たちの嘆き。
〇まとめとして
学習指導要領の内容だけでなく、標準時数について考えなければならない。6時間授業は苦痛ではない子もいるが、大多数の子どもはつらいと感じている。たくさん学ぶことはよいということについて真剣に考えなければならない。少なく教えて深く学ぶという発想に転換していきたい。部活動の扱いや高校の学習指導要領についても注視していかなければならない。
なお、本集会の様子は以下のURLから視聴可能です。
https://youtube.com/live/SDOnBkjZrOM?feature=share