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2008年度両性の自立と平等をめざす教育研究集会 −ジェンダーの視点から日本社会を考える−

2008/08/06

2008年度両性の自立と平等をめざす教育研究集会
−ジェンダーの視点から日本社会を考える− 

2008年8月6日

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8月3日(日)4日(月)の2日間、日本教育会館において標記の集会を開催しました。今年は、格差や貧困の問題にジェンダーの視点で切り込みたいと考えました。

3日の全体会では、開会にあたり高橋睦子中央執行副委員長が、学習指導要領、教育振興基本計画、教員免許更新制度等にふれて挨拶をし、続いて池田女性部長が「ジェンダー平等を求めてきた先輩の歩みに学び、世界の潮流にも学び、自信を持って学校教育、組合の活動の中で発信し、実践していこう」と基調報告をおこないました。

続いて文芸評論家の斎藤美奈子さんが「物は言いよう−ジェンダーの今と昔−」と題して講演しました。多くの事例を出しながら、「メディアへの対抗は個人のメディアリテラシーである」「今、労働環境がひどい。求人広告リテラシーが必要だ」「報道されていることばかりでなく、報道されていないことに注意せよ」「労働者の権利や、人権教育を大切にして実践していこう」と語られました。

午後は、木村涼子さん(大阪大学)、橘木俊詔さん(同志社大学)、竹信三恵子さん(朝日新聞)、神本美恵子さん(参議院議員)の4人が登壇し、「ジェンダーの視点から日本社会を考える」と題してシンポジウムをおこないました。神本さん「施策へのジェンダーの主流化はまだまだ進んでいない」、橘木さん「女性への機会の平等政策を徹底的にやるべきだ」、竹信さん「製造業派遣に多くの女性がおり、女工哀史だ」と社会情勢についての意見が述べられました。会場からの質問に答えた後、神本さん「民意で行動起こせば変えられる。仲間を増やそう」、橘木さん「エリート女性に偏った施策でなく、差別され苦しい状態にある非正規の女性をどうするかが問われている」、竹信さん「小さな勝ちを積み重ね、勝ち癖をつけよう。幅広いネットワークをつくり、戦略的に動き、効果的に発信し政治を動かそう」と今後に向けての展望を語りました。

2日目は、4つの分科会に分かれて討議を深めました。

「ジェンダー平等教育を考える」分科会では、「女子教育もんだい」の歩みととりくみの提起を受け、性や労働の実態を含めたくさんの柱について発言があり、悩みを共有し、キャリア教育の中味づくりが急がれていることや、今後のとりくみについて考えることができました。

「貧困とジェンダー」分科会では、母子家庭についての厳しい経済状態、メンタル面、子どもの気持、母親には地域のネットワークが命綱であることなど問題提起を受けました。学校・PTA・地域等においてお母さんがつながれる場づくりや、社会に出る子どもたちが身を守るすべとなる労働者を守る権利と組合の大切さも語られました。

「男性とジェンダー」分科会では、1年の育児休暇を取り、現在育児短時間勤務をしている男性の提起をもとに話し合われ、家庭・職場・労働者・管理職等の意識と権利の明確化の必要性や、男性が自立できるスキルをつける教育の重要性が話し合われました。労働組合としての、年休や各種休暇の取得促進、勤務時間の適正化などへの積極的とりくみも、必要です。

「男の子のための性の教育」分科会では、子どもたちの意見から男子トイレにカーテンをつけるとりくみを提起した後、グループ討議、全体討議で話し合いました。男性が悩みを抱え込んで孤立している。加害者にならないよう、思春期のうちに学習する必要があると話し合われました。

この学びを持ち帰り、実践して、次の全国教研でまた交流しましょう。

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