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2017年度教育予算の概算要求を公表
2016/08/31
2017年度教育予算の概算要求を公表
2016年8月31日
8月30日、文部科学省は2017年度教育予算の概算要求を公表しました。また、概算要求に合わせて、『「次世代の学校」指導体制実現構想(平成29~38年度までの10ヶ年計画)』も公表しました。
日本教職員組合は、教職員定数改善計画については、着実な実行を求め、とりくみを強化していきます。
Ⅰ 文教関係全体予算
2017年度要求・要望額 4兆3,638億円(前年度比3,082億円増)
Ⅱ 教職員定数関係
1.2017年度~2026年度までの10年間の教職員定数改善(総数29,760人)の考え方について
区 分 |
10年計画(2017~2026) |
うち2017年度 |
定数改善(a) |
29,760 |
3,060 |
自然減(b) |
▲45,400 |
▲3,100 |
差し引き増減(a+b) |
▲15,640 |
▲40 |
2.教職員定数の改善について
来年度 |
10年間 |
|
☆教職員定数の改善 |
3,060人 |
29,760人 |
学習指導要領改訂による「社会に開かれた教育課程」の実現 |
||
小学校専科指導(外国語・理科・体育など)の充実 |
330 |
1,260 |
主体的・対話的で深い学びの充実 (「アクティブラーニング」の視点からの授業改善) |
250 |
6,900 |
多様な子供たち一人一人の状況に応じた教育 |
||
○発達障害等の児童生徒への「通級による指導」の |
890 |
8900 |
○外国人児童生徒等教育の充実:基礎定数化 |
190 |
1,900 |
貧困等に起因する学力課題の解消 |
400 |
1,000 |
いじめ・不登校等の未然防止・早期対応等の強化 |
400 |
1,850 |
統合校・小規模校への支援 |
150 |
1,000 |
「次世代の学校・地域」創生プランの推進 |
||
教員の質の向上に向けた指導教諭の配置促進 |
50 |
200 |
「チーム学校」の実現に向けた次世代の学校指導体制の |
300 |
6,450 |
提案型「先導的実践加配制度」の創設 |
100 |
300 |
※○は基礎定数化するもの。基礎定数化は、対象児童生徒数に応じた算定による。
3.その他、定数関係等について
①補習等のための指導員等派遣事業
○外部人材(退職教職員、教員志望の大学生など)によるサポート(国の補助率1/3)
11,500人→13,000人(義務教育諸学校分11,700人、高等学校分1,300人)
②インクルーシブ教育システム推進事業
○特別支援教育専門家等配置(医療的ケアのための看護師)等 (国の補助率1/3)
1,000人→1,200人
③いじめ対策・不登校支援等総合推進事業
○スクールカウンセラーの配置拡充 (国の補助率1/3)
〔目標: 2019年度までに、全公立小中学校(27,500校)に配置〕
ア.全中学校に対する配置に加え、生徒指導上、大きな課題を抱える中学校に週5日相談ができる体制を構築(200校)(昨年同)
イ.小学校の通常の配置に加え、小中連携型配置拡充(2,500校→4,600校)
ウ.貧困対策のための重点加配(1,000校→1,800校)
エ.虐待対策のための重点加配(400校)【新規】
オ.適応指導教室の機能強化等、不登校支援のための配置(250箇所→1,147箇所)
○スクールソーシャルワーカーの配置拡充 (国の補助率1/3)
〔目標:2019年度までに、全ての中学校区(約1万人)に配置〕
ア.小中学校の配置(3,000人→5,000人)
イ.高校の配置(47人)(昨年同)
ウ.貧困対策のための重点加配(1,000人→1,800人)
エ.虐待対策のための重点加配(400校)【新規】
オ.スーパーバイザーの配置(47人)(昨年同)
4.地域学校協働活動推進事業
○学校を核とした地域力強化プラン(国の補助率1/3)
ア.地域コーディネーターの配置(15,000人→20,000人)
イ.総括コーディネーターの配置(250人→500人)
5.地域を担う人材育成のためのキャリアプランニング推進事業
○「キャリアプランニングスーパーバイザー」の配置(国の補助率1/3)
47人
Ⅲ 教員給与関係
部活動指導業務手当の改善 3,000円→3,600円
Ⅳ 奨学金関係
1.大学等奨学金事業の充実と健全性確保
○有利子から無利子への流れの加速
・事業費
無利子奨学金 3,222億4,900万円→3,378億1,400万円(155億6,500万円増)
有利子奨学金 7,685億5,100万円→7,365億4,200万円(3,200億800万円減)
・貸与人数
無利子奨学金 47万4千人→49万9千人(2万4千人増)
有利子奨学金 84万4千人→82万人(2万4千人減)
2.国立大学・私立大学等の授業料免除等の充実
○国立大学の授業料免除等の充実
・免除対象人数 約5万9千人→約6万1千人(2千人増)
○私立大学の授業料免除等の充実
・免除対象人数 約4万8千人→約6万人(1万2千人増)
○専門学校生への効果的な経済的支援の在り方に関する実証研究事業
・対象人数 約2千人(昨年同)
○熊本地震被災学生には別途支援
Ⅴ 復興特別会計関係
1.被災した児童生徒のための学習支援加配
1,000人(前年同)
2.緊急スクールカウンセラー等活用事業
27億100万円(前年同)
業務内容
・被災した幼児児童生徒や教職員等の心のケア等
・教職員や保護者等への助言と援助
・学校教育活動の復興支援等
3.被災児童生徒就学支援等事業
全額、国が補助する交付金事業を復興特別会計に要求
4.仮設住宅の再編等に係る子供の学習支援によるコミュニティ復興支援事業
7億9,500万円(委託事業)
その他の事項
・昨年までは「学びを通じた被災地の地域コミュニティ再生支援事業として実施
・来年度からは被災者支援総合交付金に総合・メニュー化する
5.被災私立大学等復興特別補助
17億5,200万円(前年度対比 1,000万円減)
業務内容
・東日本大震災により被災した大学の安定的教育環境の整備や被災学生の授業料免除等への支援
6.被災私立大学等復興特別補助
○大学等奨学金事業
12億2,200万円(前年度対比 16億9,800円減)
事業内容
・東日本大震災で被災した世帯の学生等が経済的理由により進学等を断念することがないよう無利子奨学金の貸与を行う