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瀧本執行委員長 衆議院文部科学委員会で参考人招致

2022/04/01

写真 【衆議院インターネット審議中継より】

瀧本日教組委員長、国会で参考人意見(4月1日)
教員免許更新制廃止の歓迎と研修などへの現場の懸念訴え

4月1日の衆議院文教科学委員会で、瀧本司・日教組中央執行委員長が参考人として出席、教員免許更新制度を事実上廃止する、「教育公務員特例法及び教育職員免許法の一部を改正する法律案」について、意見を述べました。
学校現場からの声をもとに、教員免許更新制度の廃止について歓迎するとともに、教育公務員特例法および教育免許法の一部を改正する法律案については、以下の4点について方向性を明らかにするよう求めました。
はじめに、法案が期待する研修とは何かについては、教員は教特法に基づいて、学校現場での研修、校外研修、校内研修あわせて自己研修を行っている。明日の授業をどうするか、子どもに「わかった」とうなずいてもらうためにというのが自己研修である。改正案が求める研修水準とはどのようなものであるか明確にしていただきたい、と述べました。
次に、研修受講履歴等に記録するものについては、法律で規定されているものの他、任命権者が必要と認めるものとなっているがそれはどのようなものか。また、研修の種類と実施者が明記されているが、明記されていない職専免研修、自己研修についても記録の対象として認めていただきたいと述べました。
また、研修受講履歴等と人事評価との関係については、以前文科大臣は、育成指標と人事評価は目的も趣旨も異なると述べており、改正にあたって、改めて1年間の能力を評価する人事評価に研修の履歴記録を活用するとことは趣旨が異なることを明確にすべきであると述べました。また、免許更新制を改めたことで新たな管理強化につながる恐れがあることとの懸念を伝えました。
最後に、教員の業務はひっ迫し長時間労働が慢性化しており、まずは働き方改革が必要であることを強く訴えました。具体的には小学校では授業時間の週あたり持ち時間数の上限を設けることや、中学・高校での部活動の軽減をはかることなどが必要であることを訴えました。
参考人はほかに加治佐哲也・兵庫教育大学長、佐久間亜紀・慶応大学教授が出席しました。長年、現場に教職課程を通じて教員を送り出している立場から、佐久間さんは、「免許更新制はここ数年の現場を見るにつけ、もっと早く廃止してほしかった」と話す一方、自律的な教員の学びが求められるとしながらも、法案に「研修記録の義務化」が盛られていることは不可解だ、と疑問を呈しました。さらに、OECD諸国では昨今、優秀な教員確保のために、研修と処遇改善のセットによって社会的地位の向上に努めていることに対し、日本の政策はこれと逆行しており、教職を志す人を逃しているのではないか、として政策転換を求めました。今回の法案に関しても、「すっきり(教員免許更新制を)廃止して、これ以上新たな負担を増やすことは逆効果」と結論付けました。

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