声明

ILO関係調査団来日に対する声明

2007年05月31日

ILO関係調査団来日に対する声明

2007年5月31日

日本教職員組合 中央執行委員会

ILOは第298回理事会(07年3月20日)において、CEART(教員の地位に関する勧告の適用にかかわるILO・ユネスコ合同専門家委員会)の報告を了承し、CEART調査団を日本に派遣することを確認した。この間の政府・文部科学省の姿勢を高く評価する。

調査団の訪日は、03年ILO理事会で承認された「指導力不足教員政策および教職員評価制度は、教職員団体との協議およびその参加を保障した1966年の『教員の地位に関するILO・ユネスコ勧告』勧告(以下、『1966勧告』)に抵触する」との03年 CEART勧告の遵守状況を調査することである。

日本教職員組合は「1966勧告」の採択、承認のための活動に積極的にとりくんだ。そして、「1966勧告」をその後の運動に位置づけてきた。1990年に「参加・提言・改革」の運動方針決定、95年に「社会的パートナーシップの確立をめざす」運動方針への転換により、「1966勧告」の実質化を求めてきた。それは、子どもたちに豊かな教育を保障するため、子ども、教職員、地域の実態を教育政策に反映させることを願ってのことである。

以来、文部科学省(文部省)との間で、社会的パートナーシップにもとづいて教育政策に関わって積極的な協議を続ける努力をおこなってきた。しかし、教職員が子どもと直接ふれあう時間が少ないという事実、各種調査で明らかになっているように最近の教育改革が現場の意向や実態を十分に踏まえたものとなっていないという深刻な問題として生起している。

私たちは、教育への社会的な不信や不安の声が国民の間に高まっており、それを解決する教育政策を策定し、その実現を図るために教育行政、教職員など教育関係者が胸襟を開いて語り合い、真摯な協議を行っていくことが必要だと考えてとりくみをすすめてきた。

昨今の教育政策が真に子どもの豊かな教育を保障するものになっているのかという観点に立って、今回の調査目的である、(1)教職員評価制度が教職員の意欲と資質を高めることにつながっているのか、(2)公務員全体の評価制度との齟齬ははないかを明確にする必要があると考える。  

日本教職員組合は、連合などとも緊密な連携をとりながら、この調査に全面的な協力を行う。そして、その調査をもとに出される提言、助言などについては尊重する。

これを契機に、文部科学省をはじめ教育行政関係者に対して、教育に責任を持つ当事者同士として国民に開かれた場で、「社会的対話(Social dialog?2000年CEART報告)」を一層進めるよう強く要請する。

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