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談話

「令和5年度 教育委員会における学校の働き方改革のための取組状況調査結果」 についての書記長談話

2023年12月27日

日本教職員組合書記長 山木 正博

 

   本日、文科省は「令和5年度 教育委員会における学校の働き方改革のための取組状況調査結果」を公表した。今年度は、「3分類」に係るとりくみ状況と、8月に中教審特別部会から出された緊急提言をふまえた対応状況が調査された。

 

   「3分類」に係るとりくみの「基本的には学校以外が担うべき業務」の実施率は、①登下校の指導66.1%、②放課後から夜間の見回り29.5%、③学校徴収金の公会計化45.3%、④地域人材等との連絡調整47.7%となっている。「学校の業務だが必ずしも教師が担う必要のない業務」、「教師の業務だが負担軽減が可能な業務」においても、実施率が5%以上増加(前年度比)している項目や実施率が80%を超えている項目もあり、文科省は、全体的に順調にすすんでいると評価している。しかし、働き方改革は待ったなしであるにもかかわらず、実施率が100%になっている項目は何一つない。さらに、「基本的には学校以外が担うべき業務」においては、50%を超える項目は1つにとどまっている。国の責任において、早急な施策の実施が不可欠である。

   緊急提言をふまえた対応状況では、特に優先的にとりくむ項目として、部活動が最上位となった。部活動における自治体でのとりくみの進展を期待したい。また、「取組事例」が紹介されている。好事例については、全国展開ができるよう、国として最大限の支援を行うべきである。一方、客観的な方法での在校等時間の把握では、いまだ100%となっていない。在校等時間の把握は基本であり、早急な対応が求められる。

 

   日教組「2023年 学校現場の働き方改革に関する意識調査」からは、「基本的には学校以外が担うべき業務」4項目について、全体の約7割の学校で移行の計画すらないことが明らかとなっている。文科省調査において、「部活動における部活動指導員の参画」や「スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの参画」の項目では、都道府県・政令市とも実施率が100%となっているが、すべての学校・すべての部活動・すべての学級に配置できていない。文科省は、結果の細かな分析だけでなく、調査方法の見直しも行うべきである。

 

   学校現場からは、早急な長時間労働是正・業務削減を求める声が寄せられている。「3分類」の移行を含めた実効性ある業務削減策の実施が求められる。教職員が生活時間を取り戻し、ディーセントワーク(人間らしい働き方)ができてこそ、子どもたちとむきあい、やりがいをもって本来の業務に専念することができる。日教組は、「だれもが安心して働き続けられる職場」「勤務時間内に業務が終わる働き方」の実現をめざし、業務削減、教職員定数改善、給特法の廃止・抜本的見直しにむけ、とりくみを強化する。

 

以上

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