談話
改正国民投票法の成立に対する書記長談話
6月11日、憲法改正手続きを定めた「日本国憲法の改正手続に関する法律(以下、国民投票法)」の改正案が参議院本会議で可決・成立した。本改正案は、16年の公職選挙法改正の内容を国民投票法にも適用するとして与党が提出したもので、7項目について検討されてきたが、他にも十分議論されていない課題が多く残されたままである。
改正案には、従来から課題とされていたテレビやラジオのCMやインターネット広告への規制のあり方等について、3年を目途に課題を検討し、必要な法制上の措置を講ずるものとした附則が盛り込まれることとなった。この附則は法的拘束力を持つことから、国民投票法について検討を続けることが義務付けられたと言える。同時に、附則がついたことで、この法が未だ欠陥法だということが明らかとなった。
さらに、過半数の算定基礎を有効投票数としていること、憲法改正に対する有権者の意思が十分に反映されたと評価できる最低投票率が定められていないこと等の課題も残されている。公務員に対する規制については、14年改正時に地位利用を除いて見送られているが、先進国では広く認められている公務員の政治活動を不当に制限していることは断じて容認できるものではない。国民投票運動は、憲法上、最大限保障されるべきであり、公務員についても原則自由とされるべきである。
今後、憲法審査会では、各会派とも議論を続けていくとしているものの、与党や一部野党は、改憲の議論を並行して行うことを主張している。積み残された課題について検討が尽くされ、修正がなされない限り、憲法本体の論議が優先されるべきではない。
日教組は、憲法改悪の動きに対し、憲法の理念を守り戦争をさせないため、平和フォーラムや戦争をさせない1000人委員会等と連携し、より広範な運動を展開する。そして、政権交代をめざし、次の解散総選挙での勝利にむけたとりくみを強化する。
以上