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談話

「令和3年度 教育委員会における学校の働き方改革のための取組状況調査結果」に関する書記長談話

日本教職員組合書記長 瀧本 司
2021年12月24日

本日、文科省は「令和3年度 教育委員会における学校の働き方改革のための取組状況調査結果」を公表した。
教職員の勤務実態の客観的な方法による把握については、昨年より前進しており、学校における働き方改革の第一歩と位置付けてきた単組・支部・分会のとりくみの成果だといえる。しかし、未だに校長の現認、自己申告による把握に留まっている学校もあり、明らかな法令違反である。引き続き、服務監督権者としての責務を果たすよう早急な改善を求める。
時間外勤務の実態については、全体的な傾向は日教組調査と同様、若干の改善傾向ではあるものの、上限45時間に収まらない実態はこれまでとほぼ変わりなく、不十分と言わざるを得ない。また、虚偽申告や過少申告の実態が、全国各地の多くの現場から報告されている。表面的な勤務実態の「改善」を許してはならない。さらに月80時間の過労死ラインを超える勤務実態がどの校種にも見られ、文科省調査(21年度)でも精神疾患による休職者は5,180人(精神疾患による1か月以上の病気休暇取得者を加えると9,452人)と高止まりのままである。これは教員を過労死や精神疾患等の危険にさらしていることの表れであり、勤務環境がなんら改善されていないと言わざるを得ない。教員の命と安全を守り、適正な勤務時間で業務が終了できるよう、全国学力調査の抜本的見直し、平日の部活動や行事の見直しなど業務縮減につながる抜本的な施策の実施を国や自治体に強く求める。
改正給特法の施行を踏まえた上限指針の策定状況については、依然として条例の整備を検討中の都道府県が17%もあることや、市区町村の教育委員会規則等の整備が73.2%にとどまっているなど、昨年からほとんど変わっていない実態が明らかとなった。このことは甚だ遺憾である。引き続き、上限指針の策定をはじめ、市区町村の教育委員会規則等の整備を求め、とりくみを強化していく。
さらに「具体の取組状況」として、部活動指導員・スクールカウンセラー・教員業務支援員などの人的配置がすすめられているが、「すべての学校に配置されていない」、「必要な日数や時間の配置がされていない」などの声が現場から多く上がっている。他のとりくみを含め自治体間格差もあることから、現場の声を十分に反映したさらなる施策の実施は不可欠である。
国と地方自治体は、教職員一人ひとりが実感できる働き方改革のための施策を強力に推進する責務がある。日教組は引き続き、教職員の長時間労働是正のため、業務削減、教職員定数改善を求めるとともに、給特法の廃止・抜本的見直しにとりくんでいく。
以上

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