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東日本大震災・東電福島第一原発事故から6年 被災地からの報告【福島】

2017/03/09

写真 仮設の小中 校舎

写真 廃校になった中学校校舎を利用

写真 授業風景

写真 帰宅困難地域

写真 積み上げられるフレコンバッグ

 

▶福島被災地の学校・子どもたちの現状  福島県教職員組合

1.被災地の学校はどうなるの?
原発災害から6年が経過しようとしている今も、福島県の避難者数は79,228人(2017年2月13日時点 復興庁)、18歳未満の子どもの避難者数は20,430人(16年10月1日時点 福島県こども・青少年政策課)もいます。

浪江町の小学校4校と中学校2校は、いまだに臨時休業のままです。避難を強いられ臨時移転している小学校は19校、中学校は10校です。原発から遠く離れた福島市では、原発事故による住民の避難で小学校1校が次年度廃校となります。
臨時移転の19小学校への入学者(16年度)は、合計で28人。入学者「0」の小学校が3校ありました。被災地の学校では、震災前の1割にも満たない学校がほとんどです。
双葉郡内にあった県立高校5校は、17年3月で休校となり、なくなっていきます。それに代わって、中高一貫校として「ふたば未来学園」が15年4月に開校しました。現在は、連携型一貫校ですが、将来は併設型をめざすとなっており、双葉郡内の公立中学校の存続に影響が出ることも考えられます。

一方、国の「避難指示解除」計画により自治体の帰還準備が加速し、自校復帰を目指す市町村が出ています。しかし、子どもたちが学校の帰還に合わせて戻れるわけではありません。学校の帰還と子どもたちの帰還は一体ではなく、別々の問題なのです。ただ、子どもの数が年々減少していることから、小学校も中学校も、今後の存続に危機感も出ています。また、教職員についても、住宅問題や遠距離通勤の問題も生じ、人事上、極めて困難な状況にあります。

2.子どもたちの心に寄り添った教育活動が続いています。
臨時移転の学校では、子どもたちがそれぞれの避難先から通学するため、スクールバスで片道1時間以上かかるのも珍しくありません。朝は、通学に疲れ、眠そうな子どもたちのケアから始まり、放課後の学習支援や部活動は、バス時間により制限され十分に行えない状況にあります。また、学校行事も少人数での実施となり、施設・設備面の不自由さもある中での教育活動が続いています。
原発事故による避難生活により、子どもたちは多くの問題を抱えています。教職員は、子どもたちのケアのため日々奮闘しています。毎日、子どもたちの心に寄り添い、工夫しながら教育活動を行っているのです。

3.除染廃棄物との同居状態を早く解消してください!
被災地では、避難指示解除と住民帰還のために、家屋の除染、農地・緑地等の除染が行われています。除染廃棄物は、フレコンバッグに詰められ野積みされており、その風景は極めて異様です。
学校や公園などの除染廃棄物も、校庭や施設の敷地内に埋められたり、フレコンバッグに入れて敷地内に保管されたままです。さらに、子どもたちが毎日生活している家庭でも、除染廃棄物が今も庭に埋められているか、シートをかけて敷地内に保管されています。各市町村では、仮置き場も十分に設置できていません。長期間の保管となっており不安も高まっています。一日も早く運び出し、放射性廃棄物と同居した生活をなくしてほしいと人々は強く要望しています。

東日本大震災関連情宣紙「つなぐ」はこちら

東日本大震災関連機関紙
「つなぐ」
第1号2011年3月より
2012年10月まで66号発行

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