談話

「女川原発2号機の再稼働」に対する書記長談話

2024年10月31日

日本教職員組合書記長 山木 正博

 10月29日、東北電力は女川原発2号機を再稼働させた。東京電力福島第一原発事故以降、東日本では初の再稼働となった。女川原発2号機は福島第一原発と同じ沸騰型である。震災時、女川原発2号機には約13メートルの津波が押し寄せ、起動中の原子炉建屋地下が浸水した。さらに、原子炉建屋で約1,300か所のひび割れが見つかり、設備の一部が使えなくなっていた。

また、女川原発2号機の燃料プールは今後4年程度で満杯になる見通しである。使用済み核燃料の搬入先である青森県六ヶ所村の再処理工場の完成が遅れており、長期間にわたって、施設内に留め置かれるのではないかという懸念も残されている。今後の見通しが不透明なままで再稼働をすすめている現状は、決して持続可能な解決策ではない。

 能登半島地震では、北陸電力の志賀原発周辺の避難ルートの寸断が相次いでいた。原発の再稼働にあたっては、安全対策を徹底するとともに、住民を速やかに避難させるための体制構築が求められる。女川原発は半島に立地しており、沖合は地震の多発地帯であり、自然災害と原発事故の複合災害につながる危険性が残されている。災害が発生した際には土砂崩れや津波によって、住民の避難が困難となる可能性があり、人々への安全対策には懸念が残っている。このような状況での再稼働は、人々の命を蔑ろにするものであり、到底容認できない。

 

 日教組は「核と人類は共存できない」との立場から、脱原発社会実現へむけたとりくみをより一層すすめるため、今後とも原水禁・平和フォーラムとともにとりくみを強化していく。

以上

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