談話

辺野古沖地盤改良工事の承認「代執行」に抗議する書記長談話

2023年12月26日

日本教職員組合書記長 山木 正博

 

 国は沖縄県に代わって辺野古新基地建設にむけた地盤改良工事を承認する「代執行」を12月28日に行うことを決定し、26日に沖縄県に通知した。米軍普天間基地の移設先となっている名護市辺野古沖では、埋め立て予定地で軟弱地盤が見つかり、国は地盤の改良工事の変更を申請したが、沖縄県が「不承認」としていた。軟弱地盤の改良工事については、膨大な費用が見込まれることや長期間に及ぶこと、沖縄の自然が破壊されることなどから、この工事は見直されるべきである。沖縄県民は基地建設反対の意思を幾度となく示してきた。辺野古新基地建設については、見直しも含めた議論が必要であり、自治体の権限を国が奪う「代執行」という国の強硬姿勢は、自治権や民主主義の後退につながりかねず、断固抗議する。

 

 国に代執行を認めた12月20日の裁判では、県が工事を承認しない理由を実質的に審理せず、代執行以外に方法はないと判断している。しかし、本来は知事が承認していないことが公有水面埋立法に違反しているかどうかを審議されるべきである。公益判断についても国の方針を追随しているだけあり、司法は判断を放棄していると言わざるを得ない。

 地方自治は民主主義の基盤であり、憲法第92条では人権保障と民主主義を実現するべく、住民自治と団体自治を保障している。判決では、「対話」が解決策にあたらないとしながらも、判決の最後に「国としても県民の心情に寄り添った政策実現が求められ、国と県とが相互理解にむけた対話を重ねることを通じて抜本的解決がはかられることが強く望まれている」としている。国は、民主主義と地方自治の観点からも幾度となく示されてきた民意を尊重し、沖縄県民が求めている対話をすべきである。

 

 日教組は、基地のない沖縄の実現のため、引き続き平和フォーラム等と連携し、辺野古新基地建設阻止にむけたとりくみを強化していく。また、「教え子を再び戦場に送るな」の決意のもと、すべての組合員の力を結集して、戦争につながる動きを断固阻止し憲法の理念をめざし、とりくみをすすめる。

 

                                   以上

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